松本美穂と松本崇博が執筆した Power BI 自習書シリーズの「Power BI を試しみよう」(改訂第2版)の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。なお、記載している内容は、2017年 3月に提供されていた powerbi.com のサービスおよび Power BI Desktop をもとにしています。[2018年12月29日]
Power BI の有償版である「Power BI Pro」では、オンプレミスの SQL Server 上のデータに対しても DirectQuery が可能な「オンプレミス ゲートウェイ」という機能が提供されています。この機能を利用すれば、オンプレミスの SQL Server Analysis Services(SSAS)上のデータに対するライブ接続も可能です。
また、DirectQuery ではなく、「インポート」で SQL Server に接続している場合には、インポートをした時点でのデータになるので、データがどんどん古くなっていきますが、オンプレミス ゲートウェイ機能を利用することで、オンプレミス 上の SQL Server から定期的にデータを取得できるようになります(データ更新のスケジュール設定が可能です)。
オンプレミス ゲートウェイをダウンロードするには、Power BI サイト上で、次のように[↓]ボタンをクリックして、[Data Gateway]をクリックします。
オンプレミス ゲートウェイのページが表示されたら、[Download gateway]ボタンをクリックします。これで、インストーラーである「PowerBIGatewayInstall.exe」ファイルをダウンロードすることができます。
オンプレミス ゲートウェイのインストール要件は、次のとおりです。
OS は、64-bit版のみがサポートされることに注意してください。
オンプレミス ゲートウェイのインストール手順は、次のとおりです。
1.まずは、インストーラーの「PowerBIGatewayInstall.exe」ファイルをダブルクリックして実行します。
セットアップ ウィザードが起動したら、[次へ]ボタンをクリックします。
2.次の[必要なゲートウェイの種類を選択します]ページでは、[On-premises data gateway]を選択して、[次へ]ボタンをクリックします。
3.次の[インストールする前に、お知らせがあります]ページでは、内容を確認した上で、[次へ]ボタンをクリックします。
4.次のページでは、インストール先のフォルダーを確認して、[使用条件]および[プライバシーに関する表明]の内容を確認した上で、[インストール]ボタンをクリックします。
以上でインストールが始まって、インストール中は、次のように進行状況が表示されます。
5.インストールが完了すると、次のように「インストールは正常に終了しました」と表示されます。
ここでは、Power BI サービスへのサインインが求められるので、Power BI サービスにログインするためのメールアドレスを入力して、[サインイン]ボタンをクリックします。
[アカウントにサインイン]ダイアログが表示されたら、アカウントのパスワードを入力して、サインインします。
6.サインインが完了すると、次のようにゲートウェイの構成ページが表示されます。
ここでは、[新しい on-premises data gateway の名前]に任意のゲートウェイ名(画面は gateway1)、[回復キー(8文字以上)]と[回復キーの確認]に、任意の文字列を入力して、[構成]ボタンをクリックします。
7.構成が完了すると、次のように[ゲートウェイの準備ができました]ページが表示されます。
以上で、オンプレミス ゲートウェイのインストールが完了です。
次に、オンプレミス ゲートウェイを利用して、オンプレミスの SQL Server データベースに対して、DirectQuery を実行して、レポートを参照してみましょう。
1.まずは、前の項で作成したレポートを Power BI Desktop ツールで開いて、Power BI サイトに発行します。
発行が完了すると、「発行は成功しましたが、ゲートウェイが見つからなかったため、~」というメッセージが表示されます。前の手順で、オンプレミス ゲートウェイはローカル環境にインストールしましたが、Power BI サイト側でオンプレミス ゲートウェイの設定を行っていないために、このメッセージが表示されています。
2.次に、Power BI サイト上のレポートにアクセスしてみます。
レポートにアクセスすると、「このレポートを参照するには、アカウントを Power BI Pro にアップグレードしてください」と表示されて、DirectQuery を利用したレポートには、Power BI Pro が必要な主旨が表示されます。
Power BI Pro は、60日間無料で試用することができます。試用するには、上記のメッセージが表示されているダイアログで[Pro を無料でお試しいただけます]ボタンをクリックします。
[Pro の 60日間の無料試用を開始する]ダイアログが表示されたら、[ご契約条件]の内容を確認した上で、[無料体験する]ボタンをクリックします。
次のように[試用期間が延長されました]ダイアログが表示されれば、試用の開始が成功です。
1.Power BI Pro を利用している場合は、DirectQuery を設定したレポートにアクセスすると、次のように表示されます。
DirectQuery を利用するためには、オンプレミス ゲートウェイの設定/データ ソースの追加が必要になります。
2.オンプレミス ゲートウェイを設定するには、[設定]メニューから[ゲートウェイの管理]をクリックします。
ゲートウェイの一覧には、オンプレミス ゲートウェイをインストールするときに構成したゲートウェイ(画面は gateway1)が表示されていることを確認できます。
3.次に、ゲートウェイの隣に表示される[・・・]ボタンをクリックして、[データ ソースの追加]をクリックします。
4.これによって[データ ソース設定]ページが表示されるので、[データ ソース名]に任意のデータ ソース名(画面は NorthwindJ_DS)を入力、[データ ソースの種類]で「SQL Server」を選択します。
SQL Server を選択すると、SQL Server に接続するための接続情報を入力するテキスト ボックスが表示されるので、次のように入力します。
[サーバー]には SQL Server の名前、[データベース]にはデータベースの名前を入力して、[認証方法]では SQL Server に接続するための認証方法を選択します。Windows 認証の場合は「Windows」、SQL Server 認証の場合は「基本」を選択して、[ユーザー名]と[パスワード]に接続するためのユーザー情報を入力します。
入力後、[追加]ボタンをクリックします。
この後、次のように「接続成功」と表示されれば、データ ソースの設定が完了です。
5.データ ソースの設定が完了した後は、このデータ ソースを利用できるユーザーを設定するために、[ユーザー]タブを開きます。
このタブでは、メールアドレスを入力して、[追加]ボタンをクリックすれば、ユーザーを追加することができます。
以上で、DirectQuery を利用できるようになります。
6.設定完了後、Web ブラウザーの[更新]ボタンをクリックして、レポートを再描画すると、今度は、レポートが正しく表示されることを確認できます。
このように、DirectQuery を利用したレポートを Power BI サイト上で利用するには、オンプレミス ゲートウェイのインストールと、オンプレミス ゲートウェイの設定(ゲートウェイの作成とデータ ソースの設定)が必要になります。
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