松本美穂と松本崇博が執筆した Power BI 自習書シリーズの「Power BI を試しみよう」(改訂第2版)の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。なお、記載している内容は、2017年 3月に提供されていた powerbi.com のサービスおよび Power BI Desktop をもとにしています。[2018年12月29日]
これまでの Step で試してきたように Power BI Desktop では、さまざまなデータ ソースからデータを取得して、データを変換する機能があります。
取得可能なデータ ソースには、次のものがあります。
データ ソースは、随時増えており、ここにはないデータ ソースでも、近い将来サポートされる可能性があります(Power BI Desktop は、提供依頼、毎月 Update を続けているので、最新情報を確認することをお勧めします)。
データ ソースから取得したデータに対しては、データを加工/変換することができるので、ETL(Extract/Transform/Load)およびクレンジング処理が可能です。ここまでの章で試してきたデータの変換をまとめると、次のようになります。
Step 2 の Wikipedia から都道府県の人口一覧の取得
Step 3 の SQL Server に対して DirectQuery でデータを取得
これらの他にも、次のようなデータ変換を行うことができます。
[変換]タブと[列の追加]タブの違いは、対象としている列を変換する(元の列の値を置き換える)か、変換結果を新しい列として作成するかの違いです。たとえば、前の項では、「受注」テーブルの「受注日」列をもとに、[列の追加]で「年」を取得していました。
このように、[列の追加]タブで行った変換の場合は、元の列を残すことができます。
これに対して、[変換]タブで変換を行う場合は、次のように元の列を完全置き換える形になります。
したがって、元の列データをレポート(グラフ)で利用したい場合には、[変換]ではなく[列の追加]で行うようにします。
Power BI Desktop では、[変換]および[列の追加]タブを利用することで、さまざまな変換処理を GUI 操作のみで、ノンコーディングで行うことができます。これらの GUI 操作では、内部的には、「Power Query M Formula Language」(通称 M言語)と呼ばれるスクリプト言語で記述されたスクリプトが生成されています。これは、次のように[ホーム]タブで「詳細エディター」ボタンをクリックすることで確認することができます。
[詳細エディター]ダイアログに表示される「Let ~ in ~」が M 言語で記述されたスクリプトです。Let の中の 1行は、クエリ エディターでの GUI で行った操作の履歴に対応しています。
各ステップは、M 言語での 1行分に相当していて、「受注日」から「年」を取得している処理では、列の追加が「Table.AddColumn」(Table オブジェクトの AddColumn メソッド)、年を取得している部分が「Date.Year([受注日])」(Date オブジェクトの Year メソッド)になっていることなどを確認できます。Date オブジェクトでは、Year メソッドの他に、月を取得する Month メソッドや、四半期を取得する QuarterOfYear メソッドなどもあります。
スクリプト内の「ソース =」や「挿入された年 =」、「変更された型 =」などは、M 言語での「変数」で、スクリプト全体は、次のような構成になります。
let の中が各ステップになり、ステップの区切りにはカンマを利用します。最終結果を in に記述することで、これをクエリ エディターに返すことができます。
Formula Language は、非常に強力なスクリプト言語で、GUI 操作ではできないことも実現することができるので、より高度な変換や、自動化処理を記述したい場合には、お勧めの言語になります。
M 言語の詳細については、以下のヘルプ ページが参考になります。
Power Query M Reference
http://msdn.microsoft.com/en-us/library/mt211003.aspx
第60回:SQL Server 2017 自習書 No.3「SQL Server 2017 Machine Learning Services」のご案内
第59回:SQL Server 2017 自習書 No.2「SQL Server 2017 on Linux」のご案内
第58回:SQL Server 2017 自習書 No.1「SQL Server 2017 新機能の概要」のご案内
第57回:SQL Server 2017 RC 版とこれまでのドキュメントのまとめ
第56回:「SQL Server 2016 への移行とアップグレードの実践」完成&公開!
第55回:書籍「SQL Server 2016の教科書 開発編」(ソシム)が発刊されました
第54回:「SQL Server 2016 プレビュー版 Reporting Services の新機能」自習書のお知らせ
第 53 回:SQL Server 2016 Reporting Services の新しくなったレポート マネージャーとモバイル レポート機能
第 52 回:SQL Server 2016 の自習書を作成しました!
第 51 回:PASS Summit と MVP Summit で進化を確信!
第 50 回:新しくなった Power BI(2.0)の自習書を作成しました!
第49 回:Excel 2016 の Power Query を使う
第 48 回:新しくなった Microsoft Power BI ! 無料版がある!!
第 47 回:「Microsoft Azure SQL Database 入門」 完成&公開!
第 46 回:Microsoft Power BI for Windows app からの Power BI サイト アクセス
第 45 回:Power Query で取得したデータを PowerPivot へ読み込む方法と PowerPivot for Excel 自習書のご紹介
第44回:「SQL Server 2014 への移行とアップグレードの実践」ドキュメントを作成しました
第43回:SQL Server 2014 インメモリ OLTP 機能の上級者向けドキュメントを作成しました
第42回:Power Query プレビュー版 と Power BI for Office 365 へのクエリ保存(共有クエリ)
第41回:「SQL Server 2014 CTP2 インメモリ OLTP 機能の概要」自習書のお知らせです
第40回: SQL Server 2012 自習書(HTML版)を掲載しました
第39回: Power BI for Office 365 プレビュー版は試されましたか?
第38回: SQL Server 2014 CTP2 の公開
第37回: SQL Server 2014 CTP1 の自習書をご覧ください
第36回: SQL Server 2014 CTP1 のクラスター化列ストア インデックスを試す
第35回: SQL Server 2014 CTP1 のインメモリ OLTP の基本操作を試す
第34回: GeoFlow for Excel 2013 のプレビュー版を試す
第33回: iPad と iPhone からの SQL Server 2012 Reporting Servicesのレポート閲覧
第32回: PASS Summit 2012 参加レポート
第31回: SQL Server 2012 Reporting Services 自習書のお知らせ
第30回: SQL Server 2012(RTM 版)の新機能 自習書をご覧ください
第29回: 書籍「SQL Server 2012の教科書 開発編」のお知らせ
第26回: SQL Server 2012 の Power View 機能のご紹介
第25回: SQL Server 2012 の Data Quality Services
第24回: SQL Server 2012 自習書のご案内と初セミナー報告
第23回: Denali CTP1 が公開されました
第22回 チューニングに王道あらず
第21回 Microsoft TechEd 2010 終了しました
第20回 Microsoft TechEd Japan 2010 今年も登壇します
第19回 SQL Server 2008 R2 RTM の 日本語版が公開されました
第18回 「SQL Azure 入門」自習書のご案内
第17回 SQL Server 2008 自習書の追加ドキュメントのお知らせ
第16回 SQL Server 2008 R2 自習書とプレビュー セミナーのお知らせ
第15回 SQL Server 2008 R2 Reporting Services と新刊のお知らせ
第14回 TechEd 2009 のご報告と SQL Server 2008 R2 について
第13回 SQL Server 2008 R2 の CTP 版が公開されました
第12回 MVP Summit 2009 in Seattle へ参加