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SQL Server 2014 実践シリーズ (HTML 版)
「No.2 SQL Server 2014 への移行とアップグレードの実践」

松本美穂と松本崇博が執筆した SQL Server 2014 実践シリーズの「No.2 SQL Server 2014 への移行とアップグレードの実践」の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。[2015年12月29日]

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5.30 ケース3「新規サーバーへの移行」のまとめ

ケース3 での操作手順をまとめると、次のようになります。

00531

1.アップグレード アドバイザーによる移行チェックを行う

2.新規サーバーWindows Server 2008 SP2 以降の OS をインストールする (移行元と同じ OS である必要はありません)

3.Active Directory ドメイン環境の場合は、新規サーバーをドメインに参加させる

4.SQL Server 2014 インストールするためのソフトウェア要件を確認する(.NET Framework 3.5 SP1PowerShell 2.0 など)

5.新規サーバーSQL Server 2014 をインストールする

6.新規サーバーSQL Server 2014 最新の修正プログラム(CU や Service Pack など)をインストールする

7.移行元サーバー(SQL Server 2005/2008/2008 R2/2012)のデータベースを、新規サーバー(SQL Server 2014)へ移行する(バックアップと復元機能を利用)

8.統計(Statistics)を更新する

9.フルテキスト インデックスを再構築する(フルテキスト検索機能を利用している場合)

10.データベースの互換性レベル120 へ上げる(オプション)

11.データベースの所有者を確認/設定する(∵所有者が空の場合には、データベース ダイアグラムと後述の SQL CLR オブジェクトが動作しないため)

12.SQL CLR オブジェクトの権限セットで「UNSAFE」または「外部」を利用している場合は、TRUSTWORTHY オプションを有効化する

13.システム データベース関連のオブジェクトを移行する(ログイン アカウントやサーバー ロール、tempdb の設定、リンク サーバー、ユーザー定義エラー、構成オプション、データベース メール、ジョブ、警告、オペレーターなどのうち、移行元で設定を変更/利用しているものがある場合は、それらを移行する)

14.レジストリに格納されている情報を再設定する(サービスの自動起動やサービス アカウント、認証モード、TCP ポート番号、起動時パラメーターでのトレースフラグの設定などのうち、移行元で設定を変更しているものがある場合は、それらを再設定する)

15.OS の設定で、移行元で変更しているものがある場合は、それらを再設定する(フォルダー構成や、NTFS アクセス許可、ユーザーの権利、共有フォルダーなど)

16.メンテナンス プラン(保守計画)を利用している場合は、メンテナンス プランを再作成する

17.BIDS(Business Intelligence Development Studio)を利用している場合は、SSDT-BI(SQL Server Data Tools - Business Intelligence for Visual Studio)をインストールする(オプション)

18.Integration Services を利用している場合は、SSIS パッケージを移行する

19.SQL Server Audit リソース ガバナー、ポリシー ベースの管理パフォーマンス データ コレクションなどのサーバー管理機能(SQL Server 2008 からの新機能)を利用している場合は、これらを再設定する

20.レプリケーションログ配布データベース ミラーリング可用性グループなどのサーバー間の連携機能を利用している場合は、これらを再設定する

新規サーバーへのデータベースの移行は、標準のバックアップと復元機能を利用して、簡単に行うことができます。

この移行方法を利用する最大のメリットは、OS を簡単に変更できること(Windows Server 2003/2003 R2 から Windows Server 2012 R2 へ変更するなど)、クロス プラットフォーム(移行元が 32ビットで、移行先が 64ビットなど)でも関係がないこと、Microsoft Azure などのクラウド環境であったとしても、データベースの移行が行えることです。

各種の設定システム データベースレジストリに格納されている設定、メンテナンス プランなど)は、移行元で設定を変更していたり、該当オブジェクトを利用したりしている場合には、再設定/再作成が必要になります。システム データベースに格納されているものに関しては、ほとんどのものが GUI 操作でスクリプト生成することができるので、簡単に移行することができます。レジストリに格納されているものに関しては、SQL Server はレジストリをほとんど利用していないので、こちらも再設定は簡単です。

ケース1 やケース2 との大きな違いとしては、サーバー管理に関する機能(リソース ガバナーやSQL Server Audit、ポリシー ベースの管理など)や、サーバー間の連携の機能(ログ配布やレプリケーション、データベース ミラーリング、可用性グループなど)に関しては、再設定をする必要がある点です。

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