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SQL Server 2014 実践シリーズ (HTML 版)
「No.1 インメモリ OLTP 機能の実践的な利用方法」

松本美穂と松本崇博が執筆した SQL Server 2014 実践シリーズの「No.1 インメモリ OLTP 機能の実践的な利用方法」の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。[2015年12月29日]

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1.1 インメモリ OLTP 機能の概要

インメモリ OLTP」機能(開発コード名:Hekaton)は、SQL Server の最新バージョンである SQL Server 2014 から提供された、OLTP(On-Line Transaction Processing:オンライン トランザクション処理)向けの新しいデータベース エンジンです。

このエンジンの一番の利点は、「インメモリ」で動作することで、非常に高速に処理できる点です。テーブル内のデータを、全てメモリ内に載せることができるので、従来のディスク ベースのデータベース エンジンよりも非常に高速に動作させることができます。

本ドキュメントでは、実際にどれぐらい速くできるのか? また速くさせるためのコツはあるのか? といった観点で、既に早期導入/検証を行っている企業での利用例をベースに、より実践的な解説をしていきます。

◆ SQL Server と完全に統合されている

インメモリ OLTP 機能は、SQL Server のデータベース エンジンと完全に統合されていることも大きなメリットです。性能を向上させたい特定のテーブルのみをインメモリ化して、他のテーブルは今まで同じように利用する、といった使い方も可能で、インメモリとディスク ベースのテーブルをハイブリッドに利用/共存させることができます。

インメモリ OLTP 機能を利用するには、SQL Server を通常どおりインストールするだけです。SQL Server 2014 のインストール時の[機能の選択]ページで、次のように「データベース エンジン サービス」を選択すれば、インメモリ OLTP 機能を利用することができます。

00004

後は、テーブルの作成時に、次のように「MEMORY_OPTIMIZED = ON」キーワードを付けることで、テーブルをインメモリ化することができます。

CREATE TABLE t1_InMem
(  col1  int NOT NULL PRIMARY KEY NONCLUSTERED HASH WITH (BUCKET_COUNT 1000000)
  ,col2  nvarchar(100)
WITH MEMORY_OPTIMIZED ON )

このようにインメモリ化したテーブルと、従来のディスク ベースのテーブルは、同じデータベース内に共存させることができるので、パフォーマンスが問題になっているテーブルのみをインメモリ化する、といった使い方ができます。

インメモリ化したテーブルは、ディスク ベースのテーブルと同様、INSERT UPDATE、DELETE、SELECT ステートメントを利用して操作することができます。次のように、普段利用している Management Studio から同じように操作できます。

00005

◆ 追加コスト不要

インメモリ OLTP 機能は、SQL Server 2014 Enterprise エディション X64版標準機能として提供されているので、追加コストがかからない点も大きなメリットです。特別なハードウェアを購入する必要はなく、通常通り、SQL Server 2014 を動作させることができるハードウェアがあれば利用することができます。後は、インメモリ化するテーブルのデータ量に応じて、メモリ搭載量を決定するだけです。データベース内の全てのテーブルをメモリに載せる必要はないので、データベースの全使用量分(全テーブルのデータ量分)のメモリが必要になるわけではありません。性能を向上させたいテーブルだけをインメモリ化することができます。

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