Microsoft SQL Server 2016 自習書シリーズ （HTML 版）
「No.3 Reporting Services の新機能」

4.5　比較時間グラフによる昨年比

次に、「比較時間グラフ」パーツを利用して、過去の売上データを前年と比較したレポートを作成してみましょう。

共有データセットには、前の手順と同様「ds_受注クエリ_前年付き」を利用します。このクエリには、日付データ型の「受注年月」列があるので、これを 比較時間グラフに割り当てて、売上金額が昨年と比較してどうだったのかを簡単に参照できるようにします。

◆ レポートの新規作成、共有データセットの読み込み

1．まずは、モバイル レポート パブリッシャーで新しいレポートを作成するために、画面上部の一番左にある［新しいモバイル レポート］をクリックします。

2．次に、［データ］ボタンをクリックして、［データ］ページを開き、［データの追加］（ボタンをクリックします。

3．［データの追加］ページが表示されたら、［レポート サーバー］をクリックします。

4．次に、［サーバーからデータを追加］ページが表示されるので、データセットが格納されているレポート サーバーをクリックします。

5．続いて、レポート サーバー上の共有データセットが一覧表示されるので、前の手順で利用した「ds_受注クエリ_前年付き」をクリックします。

これで共有データセットからデータ読み込まれ、読み込まれたデータは、次のように表示されます。

このクエリでは、日付データ型の「受注年月」列を DATEFROMPARTS 関数で作成していて、この列には時計のアイコンが付与されていることを確認できます。モバイル レポート パブリッシャーでは、日付データ型（datetime や date など）の列があった場合には、前掲の時間ナビゲーターや、ここで利用する比較時間グラフなどの日付データを操作できるパーツで利用できる列として、時計のアイコンが付与されるようになっています。

◆ 比較時間グラフの利用

次に、「比較時間グラフ」パーツを利用して、月ごとの売上金額と前年金額を表示してみましょう。

1．まずは、［レイアウト］ボタンをクリックして、レイアウト ページを開き、［グラフ］カテゴリの［比較時間グラフ］パーツをドラッグ＆ドロップして配置します。大きさは、縦横の全部のグリッドを使うように広げます。

2．次に、比較時間グラフに対して、月ごとの受注金額を割り当てるために、次のように［データ］ボタンをクリックして、［データ］ページを開きます。

3．［データのプロパティ］セクションの［主要な系列］で「ds_受注クエリ_前年付き」データセットの「受注金額」列を選択し、［比較対象系列］では「受注金額」列のチェックを外して、「前年同月」列のみをチェックするようにします。これで、比較時間グラフで受注金額と前年同月の金額を表示できるようになります。

4．次に、会計年度の開始日を設定するために、［設定］ボタンをクリックして、レポートの設定ページを開きます。

5．このページで［会計年度の開始］を「4月」の「１」に変更して、会計年度を4月に設定します。

6．設定後は、［プレビュー］ボタンをクリックして、レポートのプレビューを表示します。

比較時間グラフは、既定では年ごとに集計を行うので、会計年度ごとの受注金額が縦棒グラフで表示されて、前年度の金額が灰色で表示されていることを確認できます。また、前年度との差額が赤や緑で表示されて、前年度よりも良かったのか、悪かったのかが一目瞭然になるようになっています（F2016 は前年よりも低い、F2017 は前年よりも高い）。

7．動作の確認後は、［←］ボタンをクリックして、レポートのプレビューを終了します。

8．次に、月ごとに受注金額（と前年同月）を表示するように変更します。これを行うには、［レイアウト］ボタンをクリックしてレイアウト ページを開いて、［時間単位］を「月」に変更します。

9．設定後は、［プレビュー］ボタンをクリックして、レポートのプレビューを表示します。

このように月ごとに表示すれば、どの月が成績が良かったのか、悪かったのかを一目瞭然で確認できるので、とても便利です。

10．動作の確認後は、［←］ボタンをクリックして、レポートのプレビューを終了します。

11．次に、前年金額を灰色のステップ エリアグラフではなく、折れ線グラフで表示するように変更します。これを行うには、［系列の視覚化］を「折れ線 vs. 棒」に変更します。

12．設定後は、［プレビュー］ボタンをクリックして、レポートのプレビューを表示します。

前年金額が折れ線グラフで表示されるように変わったことを確認できます。

13．動作の確認後は、［←］ボタンをクリックして、レポートのプレビューを終了します。

◆ レポート サーバーへの保存

次に、作成したモバイル レポートをレポート サーバーに保存しておきましょう。

1．モバイル レポートを保存するには、モバイル レポート パブリッシャーで、次のように［モバイル レポートの保存］（モバイル レポートの保存）アイコンをクリックします。

2．［名前を付けてモバイル レポートを保存］ページが表示されたら、［サーバーに保存］をクリックします。

3．次に、［新しいレポート名］に「売上昨年比レポート２」など任意のレポート名を入力して、［保存］ボタンをクリックします。

4．以上で、レポート サーバーへの保存が完了です。

レポート サーバーに保存したレポートは、レポート マネジャー（http://レポート サーバー名/Reports）で次のように確認することができます。