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Microsoft Power BI 自習書シリーズ (HTML 版)
「No.1 無料で利用できる Power BI を試しみよう」

松本美穂と松本崇博が執筆した Power BI 自習書シリーズの「No.1 無料で利用できる Power BI を試しみよう」の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。[2015年12月29日]

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6.6 Power Query Formula Languageによる高度なデータ処理

日付ディメンションのところで、少し説明しましたが、Power Query Formula Language(通称 M言語)は、非常に強力なスクリプティング機能なので、さまざまな処理が可能です。日付ディメンションでは、[呼び出し]ボタンをクリックして、クエリを作成していましたが、これは入力パラメーター(引数)を持った「関数」を作成している例です(関数も作成できます)。

ここでは、Power Query Formula Language(以降、Formula Language と記述)を利用する方法や、複数の Webページにまたがったデータを取得するための方法などを説明します。

◆ Let's Try ~詳細エディターで Formula Language を記述~

Formula Language は、日付ディメンションのところで試したように、クエリ エディターの「詳細エディター」で記述します(日付ディメンションは、「空のクエリ」から作成しました)。また、クエリ エディターで GUI 操作を行ったもの(各種の変換処理)は、内部的に Formula Language が生成されているので、まずはこれを確認してみましょう。

1.最初に、この章のオープンデータのところで作成した市町村別の人口(男女別)の Power BI Desktop ファイル(.pbix)を開いて、[クエリを編集]をクリックします。

00458

2.クエリ エディターが開いたら、[詳細エディター]ボタンをクリックします。

00459

詳細エディターに表示されるものが Formula Language で記述されたスクリプトで、GUI 操作で行ったものが、すべてスクリプト化されています(クエリ エディターでの操作は、すべてスクリプト化=自動化/プログラミングが可能です)。

3.クエリ エディターでは、GUI で行った操作の履歴が次のように[適用したステップ]に一覧されています。

00460

各ステップは、Formula Language での 1行分に相当しています。

中身を確認したら、[キャンセル]ボタンをクリックして、詳細エディターを閉じます。

4.次に、GUI 操作(インデックス列の追加)を行って、Formula Language が自動生成されることを確認してみましょう。次のようにクエリ エディターで[列の追加]タブを開いて、[インデックス列の追加]で[1から]をクリックします。

00461

5.インデックス列の追加が完了したら、[ホーム]タブを開いて、[詳細エディター]をクリックし、詳細エディターを開きます。

00462

Table.AddIndexColumn というメソッド(連番が追加できるメソッド)が記述された 1行が追加されていることを確認できると思います。このメソッドでは、第2引数に「列名」(既定ではインデックスという名前)、第3引数に初期値(今回は 1からを選択したので 1)、第4引数に増分値(1からの増分)という利用方法ができます。

6.次に、スクリプト内の第3引数の初期値を「10」、第4引数に増分値を「20」に変更してみてください。

00463

7.[完了]ボタンをクリックして、クエリ エディターに戻ると、「10」から始まって、「20」ずつ増える値(10305070・・・)に変わっていることを確認できます。

00464

このように、Formula Language は、詳細エディターで修正していくことができます。

8.次に、もう一度[詳細エディター]ボタンをクリックして、詳細エディターを開き、スクリプトを次のように変更します(Table.RenameColumns メソッドで、列名を変更してみます)。

00465

最初に、「,」(カンマ)を追加して、ステップの区切りを作ります(let の中は、各ステップを記述しますが、これらはカンマで区切られている必要があります)。

00466

次に、Table.RenameColumns メソッドで列名を変更しますが、第1引数に「対象となる変数」(画面は追加されたインデックスという名前の変数)、第2引数に「元の列名」(インデックスという名前)、第3引数に「新しい名前」(今回は追加列という名前)を指定します。そして、この結果(メソッドの戻り値)に対して「変数1」という名前を付与しています。

この「変数1」を、最後の in で記述することで、最終結果(列の名前を変更した結果)をクエリ エディターに返すことができます。

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