松本美穂と松本崇博が執筆した SQL Server 2014 自習書シリーズの「No.5 Microsoft Azure SQL Database 入門」の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。[2015年12月29日]
Azure SQL Database の SQL サーバー上に作成したデータベースは、別のサーバーにも簡単に移行することができます。これには、次の 4つの方法があります。
2~4つ目は、SQL Server からのデータベースの移行手順で説明したものと同じ方法なので、ここでは、データベースのコピーを利用した SQLサーバー間でのデータベースの移行方法を説明します。
Azure SQL Database 上のデータベースは、次のように CREATE DATABASE ステートメントで COPY OF を付けることで、簡単にコピーすることができます。
CREATE DATABASE に続けて、コピー先となるデータベース名(画面は AzureDB_Copy)を指定して、AS COPY OF でコピー元のデータベース名(画面は AzureDB)を指定するだけで、データベースの内容を丸ごと複製することができます。
このコピーでは、エディションも同じものがコピーされるので、コピー元が Basic なら Basic、Standard の S0 なら S0 が作成されます。コピーしたデータベースは、課金対象になるので、テストで行っている場合は、確認が終わったら削除しておくようにしてください。
AS COPY OF では、次のように Azure SQL Database の SQL サーバーの名前を指定して、コピーを行うことができます。
AS COPY OF で SQL サーバーの名前(画面は matusrv1)を記述することで、別の SQL サーバー上にデータベースのコピーを作成することができます。
なお、最新版の Version 12 では、SQL サーバーが配置されているデータセンターの場所に関係なく、データベースのコピーを行うことができますが、Version 11 を利用している場合には、同じデータセンター内に配置された SQL サーバー間でのみデータベースのコピーを行うことができます(Version 11 では、データセンターが異なるとコピーができませんでした)。
DAC Fx(.bacpac)では、移行先にログイン アカウントがなければ、自動的に作成してくれる、という動作でしたが(パスワードの再設定は必要)、データベースのコピーの場合は、ログイン アカウントの作成は行ってくれません。したがって、コピー元でログイン アカウントに紐付いた、データベース ユーザーを作成している場合には、次のように CREATE LOGIN ステートメントを利用して、コピー先にもログイン アカウントを作成しておく必要があります。
ログイン アカウントを作成した後は、このログイン アカウントに紐付いている、データベース ユーザーを再マッピング(紐付けし直し)する必要があります。これを行うには、次のように ALTER USER ステートメントを利用します。
このように、コピー先でログイン アカウントの作成とデータベース ユーザーの再マッピングを行えば、データベース ユーザーに設定していたオブジェクト権限を、コピー元で設定していたのと同じように利用することができます。
なお、Contained Database(包含データベース)を利用していて、包含データベース ユーザーを利用している場合には、上記の操作は不要で、データベースのコピーを行っただけで、包含データベース ユーザーが利用できるようになります。
Azure ポータルを利用しても、データベースのコピーを行うことができます。これを行うには、次のように[データベースの構成]ブレードで[コピー]をクリックします(このコピーは、内部的には、CREATE DATABASE .. AS COPY OF が利用されています)。
[コピー]ブレードが表示されたら、[データベース名]にコピー先となるデータベース名を入力して、[ターゲット サーバー]でコピー先となる SQL サーバーを選択して、[選択]ボタンをクリックします。
最後に、[作成]ボタンをクリックすれば、コピーが始まって、コピーの進行状況は、次のように[通知]ブレードで確認することができます。
Azure ポータルでは、DACFx(.bacpac)を利用したエクスポートとインポートができる機能も用意されています。これは、次のように[データベースの構成]ブレードで、[エクスポート]をクリックすることで行えます(エクスポートを行って、.bacpac ファイルを作成する場合)。
エクスポート先には、Microsoft Azure のストレージ アカウント(BLOB ストレージ)を利用するので、事前にストレージ アカウントを作成しておくようにします。
ストレージ アカウントにエクスポートした .bacpac ファイルは、次のように[SQL サーバーの構成]ブレードで、[データベースのインポート]をクリックすることでインポートすることができます。
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