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SQL Server 2014 自習書シリーズ (HTML 版)
「No.5 Microsoft Azure SQL Database 入門」

松本美穂と松本崇博が執筆した SQL Server 2014 自習書シリーズの「No.5 Microsoft Azure SQL Database 入門」の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。[2015年12月29日]

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4.1 Azure SQL Database への移行方法の概要

(2015年1月時点での情報)

既存の SQL Server 環境(オンプレミス)のデータベースを、Azure SQL Database 上へ、データを含めて丸ごと移行するには、次の 5つの方法があります。

  • Integration Services(SSIS ウィザードまたは SSIS パッケージ)を利用する
  • bcp コマンドを利用する
  • DAC Framework(DAC Fx)の .bacpac を利用する
  • Management Studioの「スクリプト生成ウィザード」を利用する(データを移行するための INSERT ステートメントも生成可能)
  • CodePlex サイトで提供されている「SQLAzureMW」(SQL Database Migration Wizard)ツールを利用する(データの移行には内部的に bcp コマンドが利用される。マイクロソフトのサポート対象外のツールとなる)

これらの方法のうち、もっとも簡単、かつパフォーマンス良く移行することができるのが 3つ目の DAC FrameworkDAC Fx)の .bacpac を利用する方法です。この .bacpac は、SQL Server 2014 の CU5 以上、または DAC Fx の最新版をインストールことで利用することができます(詳しい利用方法は後述します)。

データベース丸ごとではなく、特定のテーブルのデータのみを移行したい場合に便利なのが(筆者もよく利用するのが)、Integration Services SSIS ウィザードです(SQL Server 2008 以降の SSIS ウィザードが Azure SQL Database に対応しています)。ただし、データ サイズが数GBレベルになる場合には、SSIS ウィザードだと bcp コマンドや .bacpac に比べて転送速度が遅いので、お勧めではありません。SSIS ウィザードは、数万件程度のデータの場合には、お勧めの移行方法になります。

また、さらに少ないデータ量(数千件レベル)の場合には、Management Studioの「スクリプト生成ウィザード」もお勧めです。これは、すべてのオブジェクト(テーブル作成の CREATE TABLE だけでなく、ビュー作成の CREATE VIEW、権限設定の GRANT、データを追加するための INSERT ステートメントなど)をスクリプト化することができる機能です。スクリプト生成ウィザードは、SQL Server 2008 R2 以降の Management Studio が Azure SQL Database に対応しています。

なお、上記の 3つの方法(DAC Framework、SSIS ウィザード、スクリプト生成ウィザード)では暗号化接続を利用することができますが、bcp コマンドSQLAzureMW では、暗号化接続を利用することができないので、お勧めではありません。

これらの移行方法をまとめると、次の表のようになります。

00279

データベース ユーザーやオブジェクト権限の転送、備考に記載した細かい内容については、この後の Step で詳しく説明していきます。

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