松本美穂と松本崇博が執筆した SQL Server 2014 自習書シリーズの「No.5 Microsoft Azure SQL Database 入門」の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。[2015年12月29日]
ここまでの手順では、以下のデータベース オブジェクトについて、通常の SQL Server と同様の操作で、Azure SQL Database 上にも作成/利用できることを確認しました。
これらについては、サンプル スクリプト内のファイルに同じように試せるスクリプトを用意しているので、こちらもぜひ試しながら読み進めてください。
Azure SQL Database の最新版である Version 12 の「12」は、SQL Server 2014 のビルド番号である「12」と同じバージョンであることを意味しているので、SQL Server 2014 のデータベース エンジンと互換性があります(SQL Server 2014 で利用できる機能のほとんどを、Azure SQL Database でも利用することができます)。
したがって、SQL Server 2014 でサポートされている組み込み関数(月末を取得できる EOMONTH や、文字列から日付を生成できる DATEFROMPARTS、書式を変更できる FORMAT、条件分岐ができる IIF、CHOOSE など)も問題なく利用することができます。これらも、次のように試すことができます。
また、V12 からは、集計関数での OVER 句もサポートされるようになったので、次のように前年同月を取得したり、累積金額を取得したりすることも簡単に行えるようになりました。
ユーザー定義関数は、通常の SQL Server での操作と同様、CREATE FUNCTION ステートメントを利用して作成することができます。
シノニムは、通常の SQL Server での操作と同様、CREATE SYNONYM ステートメントを利用して作成することができます。
トリガーは、通常の SQL Server での操作と同様、CREATE TRIGGER ステートメントを利用して作成することができます。
sp_executesql システム ストアド プロシージャについても、通常の SQL Server での操作と同様に利用することができます。
サブクエリについても、通常の SQL Server での操作と同様に利用することができます。
Azure SQL Database では、SQL Server 2012 以降でサポートされているページング機能(OFFSET .. FETCH)を利用することもできます。これを利用すれば、n件目から m件目を取得するといったことも、次のように簡単に記述することができます。
ローカル一時テーブルについても、通常の SQL Server での操作と同様に利用することができます。
なお、SELECT INTO がサポートされるようになったのは、V12 からなので、V11 を利用している場合は、CREATE TABLE ステートメントを利用して、一時テーブルを作成する必要があります。
一時テーブルの照合順序は、SQL Server 2012 以降でサポートされている CDB(Contained Database:包含データベース)の動作と同様、(tempdb データベースの照合順序に関係なく)データベースに設定した照合順序が継承されるようになっています。
テーブル変数についても、通常の SQL Server での操作と同様に利用することができます。
CTE(共通テーブル式:Common Table Expression)についても、通常の SQL Server での操作と同様に利用することができます。
MERGE ステートメントについても、通常の SQL Server での操作と同様に利用することができます。
トランザクションについても、通常の SQL Server での操作と同様に利用することができます。
例外処理(TRY .. CATCH)についても、通常の SQL Server での操作と同様に利用することができます(THROW を利用した再スローにも対応しています)。
RAISERROR についても、通常の SQL Server での操作と同様に利用することができます。
カーソルについても、通常の SQL Server での操作と同様に利用することができます。
以上のように、Azure SQL Database では、ほとんどの Transact-SQL ステートメントを、SQL Server と変わりなく利用することができます(ほぼ完全互換なので、クラウドでもオンプレミスでもシームレスに利用することができます)。
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