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SQL Server 2012 自習書 「No.19 データ パーティション入門」(HTML 版)

松本美穂と松本崇博が執筆した完全オリジナル SQL Server 2012 自習書シリーズの「No.19 データ パーティション入門」の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。[2013年12月29日]

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4.3 パーティションのスイッチ: SWITCH

◆ パーティションのスイッチ

次に、稼動テーブル「t1」のパーティション「1」(2009年用)を、アーカイブ テーブル「t1Arch」のパーティション「1」へ SWITCH してみましょう。
00028

1.パーティションをスイッチするには、ALTER TABLE .. SWITCH を利用して、次のように記述します。

USE pTestDB
go
ALTER TABLE t1
 SWITCH PARTITION TO t1arch PARTITION 1

これにより、稼動テーブルのパーティション1 のデータをすべて、アーカイブ テーブルのパーティション1 へ移動することができます(内部的には、ポインターの変更のみで完了するので、操作は一瞬で完了します)。

2.スイッチが完了したら、データが移動されたことを確認してみましょう。

SELECT FROM t1arch

00029

3.次に、$PARTITION 関数を利用して、パーティション番号を確認しておきましょう。

-- 稼動テーブルt1
SELECT *, $PARTITION.pFunc1(col1As [パーティション番号]
FROM t1
-- アーカイブテーブルt1Arch
SELECT *, $PARTITION.pFunc1Arch(col1As [パーティション番号]
FROM t1Arch

00030

◆ 新しいパーティションの追加とパーティション2 のスイッチ

次に、もう一度パーティションのスイッチを試すために、新しいパーティション(2014年)用のファイル グループとして「fg6」を追加して、その後、稼動テーブルのパーティション2 をアーカイブ テーブルのパーティション2 へスイッチしてみましょう。
00031

1.操作手順は、パーティション 1 をスイッチしたときと同じで、次のように実行します。

-- ファイル グループfg6追加
USE master
go
ALTER DATABASE pTestDB
 ADD FILEGROUP fg6
go
ALTER DATABASE pTestDB     
 ADD FILE (  NAME 'fg6'
           FILENAME 'C:\test\fg6.ndf', SIZE 5MB)
  TO FILEGROUP fg6
go
-- パーティション構成更新NEXT USED fg6
USE pTestDB
go
ALTER PARTITION SCHEME pScheme1
 NEXT USED fg6
go
ALTER PARTITION SCHEME pScheme1Arch
 NEXT USED fg6
go
-- パーティション関数範囲変更SPLIT RANGE
ALTER PARTITION FUNCTION pFunc1()
 SPLIT RANGE ('2014/01/01')
go
ALTER PARTITION FUNCTION pFunc1Arch()
 SPLIT RANGE ('2014/01/01')
go
-- データ追加2013 2014データ
INSERT INTO t1 VALUES ('2013/12/31')
INSERT INTO t1 VALUES ('2014/01/01')
-- どのパーティション格納されたかを確認
SELECT *, $PARTITION.pFunc1(col1As [パーティション番号]
FROM t1
/*------------------------------------------------------------
  パーティションSWITCH
-------------------------------------------------------------*/
ALTER TABLE t1
 SWITCH PARTITION TO t1arch PARTITION 2

-- アーカイブ テーブルデータ移動されたこと確認
SELECT FROM t1arch
-- 稼動テーブルどのパーティション内データ確認
SELECT *, $PARTITION.pFunc1(col1As [パーティション番号]
FROM t1
-- アーカイブ テーブルどのパーティション内データ確認
SELECT *, $PARTITION.pFunc1Arch(col1As [パーティション番号]
FROM t1Arch

00032

◆ SWITCH 済みのパーティションへ CHECK 制約の追加

ここまでの手順だけでは、稼動テーブルの SWITCH 済みのパーティションへも依然としてデータが追加できてしまうことに注意する必要があります。では、これを試してみましょう。

1.稼動テーブル「t1」の SWITCH 済みのパーティションである 1(2009年)と 2(2010年)に対して、データを追加してみましょう。

-- パーティション データ追加
INSERT INTO t1 VALUES ('2009/08/08')
-- パーティション データ追加
INSERT INTO t1 VALUES ('2010/08/08')
-- 追加されたデータ確認
SELECT FROM t1

00033

2009年と 2010年のデータが追加できてしまったことを確認できます。この状況を回避するには、稼動テーブル側へ CHECK 制約を追加するようにします。

2.CHECK 制約を追加するには、まず、追加したデータを DELETE しておきます。

DELETE FROM t1 WHERE col1 IN('2009/08/08''2010/08/08')

3.削除後、ALTER TABLE .. ADD CONSTRAINT を利用して、CHECK 制約を追加します。

ALTER TABLE t1
 ADD CONSTRAINT ck1 CHECK(col1 >= '2011/01/01')

これで、t1 テーブルへは、2011/1/1 以上のデータしか追加できないように設定できました。

4.これを確認するために、もう一度 2010年のデータを追加してみましょう。

INSERT INTO t1 VALUES ('2010/08/08')

00034

今度は、制約違反エラーが発生して、データを追加できなかったことを確認できます。このように、パーティションの SWITCH 後は、SWITCH 済みの範囲へ、データが追加されないように、CHECK 制約を設定しておくようにしましょう。

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