SQL Server 2012 自習書シリーズ （HTML 版）
「No.12 Analysis Services によるインメモリ BI 入門」

3.5　KPI（Key Performance Indicator：重要業績評価指標）機能

◆ KPI（Key Performance Indicator：重要業績評価指標）機能

テーブル モデルでは、KPI（Key Performance Indicator：重要業績評価指標）をグラフィカルに設定することができる機能があります。たとえば、次の例では、目標金額に対して、受注金額がどれだけ達成できたのかをグラフィカルなアイコンで表示しています。

それでは、これを試してみましょう。

1．まずは、サンプル スクリプトの「TargetVal.csv」ファイルを Excel 2010 で開きます。このファイルには、次のように区分ごとの売上の目標金額が格納されています。

データを確認したら、データを全部選択して右クリックし、［コピー］をクリックします。

2．次に、Analysis Services テーブル モデル プロジェクトへ戻って、［編集］メニューの「貼り付け」をクリックします。

これにより、［貼り付けプレビュー］ダイアログが表示されて、ペーストするデータ（目標金額）のプレビューが表示されます。「先頭の行を列見出しとして使用する」がチェックされていることを確認し、［テーブル名］は「目標金額」など任意の名前へ変更して、［OK］ボタンをクリックします。

これで、タブが 1つ追加されて、テーブルが作成されます。

3．次に、貼り付けた「目標金額」と「商品区分」テーブルとのリレーションシップを設定します。リレーションシップを作成するには、次のように「目標金額」の「区分コード」列を右クリックして、「リレーションシップの作成」をクリックします。

［リレーションシップの作成］ダイアログでは、［関連する参照テーブル］で「商品区分」、［関連する参照列］で「区分コード」を選択して、［OK］ボタンをクリックします。

4．次に、目標金額の合計を計算するためのメジャーを作成します。次のように「目標金額」列の任意のデータを選択して、ツールバーの［Σ］ボタンから「Σ Sum」をクリックします。

これにより、「目標金額 の合計」メジャーが作成されます。

5．次に、作成した「目標金額 の合計」メジャーを選択して、［プロパティ］ウィンドウを開き、［形式］で［通貨］を選択します。

◆ KPI の作成

次に、KPI を作成します。

1．KPI を作成するには、「受注明細」テーブルの「受注金額計」メジャーを選択して、ツールバーの［KPI の作成］ボタンをクリックします。

2．［主要業績評価指標（KPI）］ダイアログが表示されたら、次のように［対象の値の定義］で［メジャー］に「目標金額の合計」を選択します。

［対象のしきい値の定義］では、「80%」と「100%」へ設定して、目標金額に対して、80%未満なら「赤」、80～100%の間なら「黄色」、100%以上なら「緑」で状態を表示するように設定します。以上で、KPI の設定が完了です。

3．ツールバーの［Excel で分析］ボタンをクリックして、Excel のピボット テーブルを起動し、［Σ 値］へ「受注金額計」、［行ラベル］へ「区分名」を配置します。

4．KPI を追加すると、次のようにフィールド リストに「KPI」フォルダーが追加されるので、これを展開して、［ゴール］と［状態］をチェックします（チェックすることで、［Σ 値］へ配置されます）。

［ゴール］は対象として設定した「目標金額の合計」メジャー、［状態］は「目標金額に対する達成の度合い」です。目標金額に対して、80%未満なら「赤」、80～100%の間なら「黄色」、100%以上なら「緑」で表示されていることを確認できます。

このように、KPI を利用すると、目標値に対する達成の度合いをグラフィカルなアイコンで表示できるようになるので、大変便利です。