SQL Server パフォーマンスチューニング、コンサルティング、アドバイス、相談、定期診断、トレーニング

ホーム＞技術情報＞ SQL Server 実践「SQL Server 2016 への移行とアップグレードの実践」

Microsoft SQL Server 2016 実践シリーズ（HTML 版）
「SQL Server 2016 への移行とアップグレードの実践」

松本美穂と松本崇博が執筆した SQL Server 2016 実践シリーズの「SQL Server 2016 への移行とアップグレードの実践」の HTML 版です。日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。なお、記載している内容は、2016年 12月時点での情報になります。[2018年12月29日]

目次へ | 前のページへ | 次のページへ

5.15　tempdb の設定の移行

tempdb の設定も master データベース（システムデータベース）内に格納されているので、移行元で設定を変更している場合には、別途移行を行う必要があります。

00443

◆ SQL Server 2016 のインストール時に tempdb の設定を変更

SQL Server 2016 では、SQL Server のインストール時に tempdb の設定を変更できるようになりました。これは［データベースエンジンの構成］ページの［TempDB］ページから行えます。

00444

.mdf（データファイル）に関しては、ファイル数や初期サイズ、作成場所、.ldf（ログファイル）に関しては、初期サイズ、作成場所などを設定できるので、これを移行元の SQL Server と同じように設定します。なお、.mdf のファイル数は、既定では搭載されている CPU のスレッド数または 8スレッド以上の場合は 8 に設定されます（画面は 4スレッドの場合の例）。

◆ tempdb の設定を変更する場合

SQL Server のインストール後に、tempdb データベースの場所や、サイズの変更を行いたい場合には、次のように実行します。

-- 場所を変更する場合（E ドライブの直下へ移動する場合の例）
ALTER DATABASE tempdb
MODIFY FILE ( NAME = 'tempdev', FILENAME = 'E:\tempdb.mdf' )
ALTER DATABASE tempdb
MODIFY FILE ( NAME = 'templog', FILENAME = 'E:\templog.ldf' )
go
-- 場所の変更を完了するには SQL Server の再起動が必要
-- サイズを変更する場合（mdf は 20GB、ldf は 10GB へ変更する場合の例）
ALTER DATABASE tempdb
MODIFY FILE ( NAME = 'tempdev', SIZE = 20480MB )
ALTER DATABASE tempdb
MODIFY FILE ( NAME = 'templog', SIZE = 10240MB )
go

なお、サイズの変更を行う場合は、瞬時初期化機能が有効になっていない場合は、実行に時間がかかることに注意してください。瞬時初期化機能が有効になっている場合は、.mdf のサイズ変更は、瞬時に行うことができます（これに対して .ldf に関しては、ストレージの書き込み性能によって、変更時間が大きく左右します）。

瞬時初期化機能を有効化するには、「ボリュームの保守タスクを実行」ユーザーの権利をサービスアカウントへ付与しますが、これについても、SQL Server 2016 からは SQL Server のインストール時に設定できるようになりました。

00445