Microsoft SQL Server 2016 実践シリーズ （HTML 版）
「SQL Server 2016 への移行とアップグレードの実践」

4.9　ケース２ の残りの作業（ケース１ と同じ）

「ケース２ 新規サーバー（別マシン）へのアップグレード」での完全複製（旧マスターを新マスターに丸ごと複製）が完了した後は、SQL Server 2016 へのアップグレードを行うことになりますが、作業手順は次のとおりです（以降の手順は、ケース１ と同じです）。

このケースでのアップグレード手順は、次のとおりです。

1．Data Migration Assistantによる事前チェックを行う

2．SQL Server 2016 へのアップグレード要件を確認する（アップグレード可能な Service Pack を確認／インストールする）

3．SQL Server 2008 なら SP4、SQL Server 2008 R2 なら SP3、SQL Server 2012 なら SP2 が必要。OS に Windows Server 2003 や 2003 R2、2008、2008 R2 を利用している場合は、Windows Server 2012 以上にアップグレードする。

4．新規サーバーを SQL Server 2016 へアップグレードする

5．SQL Server 2016 の最新の修正プログラム（CU や Service Pack など）をインストールする

6．Reporting Services を利用している場合は、SP1 に対する重要な更新プログラムがあるので、SP1＋CU1 または CU4 以降を適用しておく。

7．Management Studio（管理ツール）の最新版をダウンロードして、インストールする（オプション）

8．統計（Statistics）を更新する

9．データベースの互換性レベルを 130 へ上げる（オプション）

10．互換性レベルの影響についてはクエリ ストア機能を利用することで簡単にチェック可能（実行プランの比較や、プラン強制もできる）。

11．BIDS（Business Intelligence Development Studio）や SSDT-BI（SQL Server Data Tools - Business Intelligence）を利用している場合は、SSDT の最新版をダウンロードして、インストールする（オプション）

以上で、ハードウェア リプレース時を伴った場合の SQL Server 2016 へのアップグレード作業が完了です。システム データベースのオフライン バックアップを利用すれば、非常に簡単にハードウェア リプレース／同じ名前の新規サーバーの構築および SQL Server 2016 へのアップグレードを行うことができます。