SQL Server 2014 実践シリーズ （HTML 版）
「No.2 SQL Server 2014 への移行とアップグレードの実践」

4.3　レジストリに格納されている情報の再設定

新規サーバー（新マスター）では、レジストリに格納されている情報も再設定する必要がありますが、レジストリに格納されている情報はほとんどありません（∵SQL Server の動作に関する設定は、ほとんどがシステム データベース内に格納されているため）。

レジストリに格納されている主な情報は、次のとおりです。

◆ SQL Server サービス関連の設定

SQL Server サービス関連の設定は、次のように「SQL Server 構成マネージャー」ツールで設定できる情報がほとんどで、サービスの自動起動やサービス アカウントの設定（SQL Server のインストール時に設定したもの）、サービス起動時のトレース フラグ（起動時のパラメーター）、TCP ポート番号などです（以下の画面は SQL Server 2005 の場合）。

弊社のお客様の場合は、デッドロックをログへ記録するためのトレース フラグ「1222」を設定している場合が多くあります。このように設定を変更している場合は、新規サーバー側でも再設定をする必要があります。

また、次のようにサーバーのプロパティで設定できる認証モード（セキュリティ モード）や、監査の設定などもレジストリに格納されています。

これらの設定を旧マスター上で変更している場合には、新規サーバーでも再設定をする必要があります。

なお、これらのレジストリに格納される情報は、次のキーに格納されています（SQL Server 2005 の既定のインスタンスの場合）。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Microsoft SQL Server\MSSQL.1

◆ SQL Server Agnet サービス関連の設定

SQL Server Agent サービス関連の設定は、SQL Server のインストール時に設定したサービスの自動起動やサービス アカウント、次のように［SQL Server エージェント］のプロパティで設定するものなどです。

［全般］ページでの予期しない停止時の自動再起動の設定や、［詳細設定］ページでの CPU をアイドルとみなす秒数／使用率、［警告システム］ページでの設定（メール セッションでのデータベース メールの設定、緊急時のオペレーターなど）、［履歴］ページでのジョブ履歴の最大行数などがレジストリに格納されています。

したがって、これらの設定を旧マスター上で変更している場合には、新規サーバー（新マスター）でも再設定をする必要があります。データベース メールの設定などは、利用している方がいらっしゃるのではないでしょうか。

以上のように、レジストリに格納される情報は少なく、あまり変更することのない設定が多いと思います。SQL Server の動作に関する設定は、ほとんどがシステム データベース内に格納されているので、（オフライン バックアップによって）システム データベースをきちんと複製することができれば、ほとんどの情報を複製することができます。