松本美穂と松本崇博が執筆した SQL Server 2014 実践シリーズの「No.2 SQL Server 2014 への移行とアップグレードの実践」の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。[2015年12月29日]
SQL Server 2008 からは、次のように多くの新機能が提供されています。
これらは、パフォーマンス データ コレクションを除いて、SQL Server 2014 へアップグレード インストールを行っても、そのまま動作させることができます。SQL Server Audit の監査設定も、透過的なデータ暗号化も、ポリシー ベースの管理で設定したポリシーも、CDC も、リソース ガバナーで作成したリソース プールも、そのまま動作させることができます。
SQL Server 2008 でパフォーマンス データ コレクションを設定済みで、SQL Server 2014 へアップグレードした場合には、パフォーマンス データ コレクション(サーバーの利用状況やクエリ統計、ディスク使用量などのシステム データ コレクション)でエラーとなってしまいます。これは次のような状況です。
このエラーの原因は、次のようにプロパティを開こうとすることで確認できます。
「同じキーのエントリが既に存在します」というエラーが表示されて、これはデータ コレクションが格納されている msdb データベース内の「syscollector_collection_items_internal」テーブルに重複値があるというエラーになります。
このように、同じキー(collector_type_uid)の日本語のデータ コレクションが重複して格納されてしまっていることが原因なので、次のように DELETE ステートメントを実行して、日本語のものを削除してしまいます。
このように、日本語のデータを削除することで、プロパティが開けるようになります。
削除後も、まだエラーは出るので、次に、パフォーマンス データ コレクションのクリーンアップを行って、さらに再構成をします。
クリーンアップを行うには、次のように[データ コレクション]を右クリックして、[タスク]メニューの[データ コレクターのクリーンアップ]をクリックします。
これで、クリーンアップが完了です。
クリーンアップが完了したら、次は、パフォーマンス データ コレクションを再構成します。再構成は、新規作成時と同様、[データ コレクション]を右クリックして、[タスク]メニューの[管理データ ウェアハウスの構成]をクリックします。
[データベース]では、アップグレード前に利用していた既存の管理データ ウェアハウスを選択する以外は、新規作成時と同様です。
管理データ ウェアハウスの構成が完了したら、次は[データ コレクション]を右クリックして、[タスク]メニューの[データ コレクションの構成]をクリックして、システム データ コレクションを構成します。
[キャッシュ ディレクトリ]でキャッシュ フォルダーを指定して(フォルダーがない場合は新規作成します)、[名前]で「システム データ コレクション セット」をチェックします。
以上で、パフォーマンス データ コレクションの再構成が完了です。これでエラーが消えて、アップグレード前と同じように、パフォーマンス データ コレクションを動作させることができます。
もし、これでもエラーが消えない場合は、Integration Services がインストールされているかどうかを確認してみてください(SQL Server 2008 では、パフォーマンス データ コレクションを動作させるために Integration Services は必須ではなかったのですが、SQL Server 2014 では必須になっています)。
エラーが消えた後は、レポートに関しても、以前と同様に参照できるようになります。
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