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SQL Server 2014 実践シリーズ (HTML 版)
「No.1 インメモリ OLTP 機能の実践的な利用方法」

松本美穂と松本崇博が執筆した SQL Server 2014 実践シリーズの「No.1 インメモリ OLTP 機能の実践的な利用方法」の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。[2015年12月29日]

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4.17 ASP.NET Session State provider for SQL Sever In-Memory

bwin 社が実装したような ASP.NET のセッション状態データベースのインメモリ化は、NuGet(.NET 用のパッケージ マネージャー)から取得できる「Microsoft ASP.NET Session State provider for SQL Sever In-Memory 1.0.1」を利用すると、簡単に実装することができます。

http://www.nuget.org/packages/Microsoft.Web.SessionState.SqlInMemory/

00350

◆ 利用手順

このプロバイダーを利用する手順は、次のとおりです。

まず、Visual Studio で、「ASP.NET Web アプリケーション」プロジェクトを作成します。

00351

次に、[ツール]メニューから[ライブラリ パッケージ マネージャー]の[パッケージ マネージャー コンソール]をクリックします。

00352

パッケージ マネージャー コンソールが開いたら、次のように入力します。

Install-Package Microsoft.Web.SessionState.SqlInMemory
00353

これでインストールが完了です。インストール完了後は、ソリューション エクスプローラーに「ASPStateInMemory..sql」ファイルが追加されているので、これを開きます。

00354

次に、「ASPStateInMemory..sql」ファイルの内容を、SQL Server 2014 の Management Studio のクエリ エディターへ丸ごと貼り付けて、実行します。

00355

CREATE DATABASE では、「ASPStateInMemory」という名前のデータベースを作成しますが、既定では D:\SQL\data フォルダーにデータベースを作成するようになっているので、任意の場所へ変更します。

スクリプトでは、2つのテーブル(Sessions SessionItems)が作成されますが、Sessions 7000バイト未満のセッション変数を格納するためのテーブル(varbinary(7000) に設定された Item 列に値を格納)、SessionItems 7000バイト以上(BLOB)のセッション変数があった場合に、これを分割して格納するためのテーブルです。どちらのテーブルも、既定では BUCKET_COUNT 100万DURABILITY SCHEMA_ONLY に設定されています。BUCKET_COUNT は、同時接続数が多い環境では、さらに大きい値へ変更しておくようにします(Session 変数は、既定では 20分間保持されるので、20分間にアクセスされる同時接続数をもとに BUCKET_COUNT を調整します)。

スクリプトでは、いくつかのネイティブ コンパイル SP が作成されますが、主な役割は、次のとおりです。

00356

最後に、Visual Studio のソリューション エクスプローラーで「Web.config」ファイルを開いて、connectionString を変更すれば、設定が完了です。

00357

これで、ASP.NET のセッション状態データベースのインメモリ化が完了です。

◆ ASP.NET Session State provider for SQL Sever In-Memory の動作

このプロバイダーの動作について、次のような ASP.NET Web フォームでセッション変数を格納した場合を例に説明します。

00358

この Web フォームへアクセスしたときを SQL Server Profiler ツールでキャプチャすると、次のように InsertOrUpdateStateItem ネイティブ コンパイル SP が実行されていることが分かります。

00359

このネイティブ コンパイル SP では、7000バイト未満のデータであれば、Sessions テーブルへ値を格納するようになっています(Item 列に値が格納されます)。

00360

次に、セッション変数の値を取得する場合を見てみます(別の Web フォームから取得)。

00361

このようにセッション変数の値を取得した場合を SQL Server Profiler ツールでキャプチャすると、次のようになります。

00362

セッション変数の取得時は、GetStateItemExclusive ネイティブ コンパイル SP が実行されていることが分かります。

以上のように、Microsoft ASP.NET Session State provider for SQL Sever In-Memory 1.0.1 を利用すると、セッション状態データベースを簡単にインメモリ化することができます。

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