Microsoft SQL Server 2016 自習書シリーズ （HTML 版）
「No.4 Analysis Services の新機能」

2.12　DirectQuery での MDX クライアントのサポート

これまでの Analysis Services の DirectQuery では、DAX クライアントのみのサポートで、MDX クライアントがサポートされていなかったので、次のような状況でした。

Excel や Reporting Services は、内部的には MDX クエリを発行する MDX クライアントなので、以前のバージョンの DirectQuery では、これらのクライアントがアクセスすることができませんでした。

しかし、SQL Server 2016 からは、DirectQuery で MDX クライアントがサポートされるようになったので、Excel や Reporting Services からでもアクセスできるようになりました（前の Step では Excel から DirectQuery に接続したときの内部発行された SQL を確認しているように、何の問題もなく DirectQuery に接続できるようになりました）。

◆ 内部発行されている MDX や DAX を確認する方法（SQL Server Profiler）

Analysis Services に対して、Excel や Reporting Services、Power BI Desktop などが内部発行しているクエリ（MDX や DAX）は、SQL Server Profiler ツール（または後述の拡張イベント）を利用すれば確認することもできます。

SQL Server Profiler では、次のように接続時に「Analysis Services」を選択することができます。

［イベントの選択］ページでは、次のように「Query Events」カテゴリの「Query End」イベントを選択すれば、内部発行されたクエリを確認することができます。

例えば、Excel ピボット テーブルで、商品区分ごとの受注金額を取得した場合は、次のように MDX が発行されています。

なお、SQL Server 2016 からは、後述の拡張イベント（XEvents）を利用すれば、SQL Server Profiler ツールを利用しなくても、次のように内部発行されたクエリを確認できるようになりました（利用方法は後述します）。