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Microsoft SQL Server 2016 自習書シリーズ (HTML 版)
「No.4 Analysis Services の新機能」

松本美穂と松本崇博が執筆した SQL Server 2016 自習書シリーズの「No.4 Analysis Services の新機能」の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。 なお、記載している内容は、2016年 9月時点での情報になります。[2018年12月29日]

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2.5 計算テーブル/DAX エディターの進化

SQL Server 2016 の Analysis Services からは、「計算テーブル」(Calculated Table)機能が提供されました。これを利用すれば、DAX 式/クエリの結果をテーブルとして新規作成することができるので大変便利です。また、SQL Server 2016 からは、DAX を記述するための DAX エディターカラーリング(色分け)に対応したり、コメントを追加したりできるようになって、使いやすくなりました。

◆ Let's Try

それでは、これを試してみましょう。

1.計算テーブルを追加するには、次のように[DAX 式から計算された新しいテーブルを作成する]ボタンをクリックします。

00134

計算テーブルは、DAX 式を記述して作成するので、DAX エディターが表示されます。

2.DAX エディターには、商品区分ごとの受注金額を取得するための DAX 式を記述しますが、この式は複数行になるので、まずは次のように操作して DAX エディターの大きさを広くします(複数行が見やすくなるようにします)。

00135

3.DAX エディターには、次のように記述します(商品区分ごとの受注金額を取得するために、SUMMARIZE 関数を利用します)。

=SUMMARIZE
 (  '受注明細',
    '商品区分'[区分名],
    "合計金額", '受注明細'[受注金額計] )

00136

この DAX 式は、前の Step で MDX クエリ エディターのところで紹介したものとほとんど同じです(EVALUATE を付けていないだけです)。DAX エディターでは、SUMMARIZE 青色で表示されたり、カラーリング(色分け)が効いていることを確認できます(カラーリングは SQL Server 2016 からの新機能です)。

式の中で改行を入れる場合は、Alt+Enter キーを押下します。また、式の入力が完了した後は、Enter キーを押下することで、式が確定して、次のように結果が表示されます(もしエラーが表示される場合は、' [ ]、" の指定などが間違っていないかどうかを確認してみてください。DAX では、テーブルを ' で囲み、列は [ ] で囲みます。"合計金額" のように " で囲んでいるものは文字列で、合計金額という列名を付けるために指定しています)。

00137

4.次に、作成したテーブルの名前を変更します。名前を変更するには、テーブルを右クリックして、[名前の変更]をクリックします。新しい名前は「区分ごとの受注金額」にします。

00138

5.次に、ツールバーの[Excel で分析]をクリックして、Excel を起動します。

00139

6.Excel が起動したら、ピボット テーブルのフィールド リストに計算テーブルが表示されていることを確認します。

00140

ただし、Excel のピボット テーブルでは、「合計金額」列は[Σ 値]に配置することができないので、次に[Σ 値]に配置可能なメジャーを作成します。

7.メジャーを作成するには、SSDT に戻って、次のように「合計金額」列の任意のデータを選択して、ツールバーの[Σ]メニューから[Σ Sum]をクリックします。

00141

これで「合計金額」の合計を計算したメジャーを作成できます。

8.メジャーの作成後は、ツールバーの[Excel で分析]をクリックして、Excel を起動し、「合計金額 の合計」メジャーが表示されることを確認します。

00142

◆ DAX エディターでのコメント //

SQL Server 2016 からは、DAX エディターでコメントを入力できるようになりました。コメントは、C# や Java などでお馴染みの「//」で 1行コメントにできます。

00143

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