松本美穂と松本崇博が執筆した Power BI 自習書シリーズの「Power BI を試しみよう」(改訂第2版)の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。なお、記載している内容は、2017年 3月に提供されていた powerbi.com のサービスおよび Power BI Desktop をもとにしています。[2018年12月29日]
続いて、もう1つオープンデータからデータを取得してみましょう。ここでは、総務省が公開している「情報通信白書」から「スマートフォンの保有状況」を取得してみます。
総務省の「情報通信白書」ページ
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/
スマートフォンの保有状況は、平成27年度版の情報通信白書に記載されているので、次のように「平成27年版」を選択します。
情報通信白書での引用可能な図についての説明は、「利用にあたって」という PDF 文書に記載されているので、一読しておくことをお勧めします。
スマートフォンの保有状況は、本編の「1-1-1-3-2 第1部 第1章 第1節の 3-(2) スマートフォンの登場と普及:ビッグデータの時代へ」(以下の URL)に記載されています。
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h27/html/nc111320.html
1.まずは、Power BI Desktop ツールを起動して、起動画面で、次のように[データを取得]から[その他]の[Web]をクリックします。
[Web から]ダイアログでは、前掲の URL に、Excel ファイルまたは CSV ファイルへのリンク(Excel の場合は http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h27/excel/n1103040.xls)があるので、これをコピーして貼り付けます。
2.Web への接続が成功すると、次のように[ナビゲーター]ダイアログが表示されるので、「Sheet1」をチェックします(Excel ファイルの場合はシート名が表示されます)。
[Sheet1]を選択後、[編集]ボタンをクリックして、クエリ エディターを開きます。
なお、Excel ファイルに接続できずに、以下のエラーが表示される場合は、「Microsoft Access データベース エンジン 2010 再頒布可能コンポーネント」をダウンロード/インストールしておく必要があります。
Microsoft Access データベース エンジン 2010 再頒布可能コンポーネントは、以下の URL からダウンロードすることができます。
http://www.microsoft.com/ja-JP/download/details.aspx?id=13255
3.クエリ エディターでは、図版の元データを取得できたことを確認できます。
4.次に、余分なデータを削除するために、[Column1]の[▼]ボタンをクリックして、必要なデータのみにチェックが付くようにします。
5.以上で、クエリ エディターでの設定は完了です。完了後、[ホーム]タブで[閉じて適用]をクリックして、レポート デザイナーに移動します。
6.レポート デザイナーが開いたら、[フィールド]ペインから[Column1]と[Column2]をチェックします。
7.次に、[視覚化]ペインで[積み上げ横棒グラフ]をクリックして、横棒グラフに変更します。
Web 上の元データは、パーセンテージ形式で表示されていますが、取得したデータは、「0.94」や「0.92」のような形で、小数点付きの 10進数になっているので、これをパーセント表示(94% や 92% のように表示)されるように「書式」を変更します。
1.「書式」を変更するには、次のように[データ]をクリックして、データツールを開きます。
データツールでは、データが格納されている[Column2]を選択してから、[モデリング]タブを開き、[書式]の[パーセンテージ]をクリックします。
2.次に、小数点以下の桁数を「1」に設定します。
これで、「94.5%」や「92.4%」のように表示できるようになります。
3.書式を変更後、[レポート]をクリックして、レポート デザイナーに戻ります。
横棒グラフでは、次のように[書式]セクションを開いて、[データラベル]を[オン]に設定して、[位置]を[内側中央]に設定することで、グラフ内に値を表示できるようになります。
4.横棒グラフは、次のように[データの色]で[すべて表示]を[オン]に設定することで、それぞれの棒グラフの色を変更することもできます。
ここまで作成した横棒グラフは、データの並び順が、[Column1]の漢字コード順になっているので、「20~29歳」が最初に表示されて、「全体」が最後に表示されています。Web 上の元データは、「全体」が最初に表示されているので、これに合わせるように並び順を変更してみましょう。
1.並び順を変更するには、まずデータを取得した順番どおりに、連番を振ります。連番を振るには、[ホーム]タブの[クエリを編集]ボタンをクリックして、クエリ エディターを開きます。
クエリ エディターでは、[列の追加]タブを開いて、[インデックス列]で「1から」をクリックします。
これで、1からの連番を振ることができます。列の名前は、既定で「インデックス」という名前になりますが、今回はこれをこのまま利用します。
設定後、[ホーム]タブで[閉じて適用]をクリックして、レポート デザイナーに戻ります。
2.レポート デザイナーでは、[データ]をクリックして、データツールを表示します。
データツールでは、[Column1]列を選択してから、[モデリング]タブを開いて、[列で並べ替え]で[インデックス]列を選択します。これで、[Column1]列を[インデックス]列(データの取得順)で並べ替えられるようになります。
3.設定後、[レポート]をクリックして、結果を確認します。
4.最後に、[ファイル]メニューの[名前を付けて保存]をクリックして、任意の名前でレポートを保存しておきます。
以上のように、Power BI では、Web 上のデータと同じようなグラフを簡単に作成することができます。Web から取得したデータの場合は、データの取得順に意味がある場合が多いので、この手順で利用した「インデックス列」(連番を振る機能)と「別の列での並べ替え」は、大変役立ちます。
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