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Microsoft Power BI 自習書シリーズ (HTML 版)
「No.1 無料で利用できる Power BI を試しみよう」

松本美穂と松本崇博が執筆した Power BI 自習書シリーズの「No.1 無料で利用できる Power BI を試しみよう」の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。[2015年12月29日]

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3.2 Web からデータの取得

まずは、Web 上にある「都道府県ごとの人口」データを取得してみます。このデータは、次のように Wikipedia(ウィキペディア)にある「都道府県の人口一覧」から取得してみます。

都道府県の人口一覧
http://ja.wikipedia.org/wiki/都道府県の人口一覧

00086

◆ Power BI Desktop でデータを取得

1.まずは、Power BI Desktop を起動して、次のように[データを取得]をクリックします。

00087

2.データを取得]ダイアログが表示されたら、次のように下にスクロールあるいは[その他]カテゴリを選択して、[Web]を選択し、[接続]ボタンをクリックします。

00088

このように、Power BI Desktop では、さまざまなデータソースからデータを取得することができます。

3.続いて、[Web から]ダイアログが表示されるので、以下のように URL を入力します。

http://ja.wikipedia.org/wiki/都道府県の人口一覧

00089

URL を入力したら、[OK]ボタンをクリックします。

4.Web ページへの接続が成功すると、次のように[ナビゲーター]ダイアログが表示されます。

00090

このダイアログでは、[Table_0]を選択すると、URL で指定した Web ページ内にある最初の <Table> タグの情報を確認できて、都道府県別の人口が表示されることを確認できます(プレビューを確認できます)。

このように、Power BI Desktop では、Web ページ内の Table タグを全て認識することができ、その中から、必要な Table タグを選択して、そのデータを取得することができます。

5.確認後、[編集]をクリックすると、次のように[クエリ エディター]が表示されます。

00091

もし、[編集]ではなく、[読み込む]ボタンをクリックしてしまった場合は、次のように[レポート デザイナー](レポートの編集画面)が表示されるので、リボンの[クエリを編集]ボタンをクリックしておいてください。これで、[クエリ エディター]を開くことができます。

00092

6.クエリ エディターでは、次のように先頭の行に、見出しが表示されてしまっているので、これを見出しとして利用するように変更します。

00093

先頭の行を見出しに変更するには、次のように、グリッドの左上のセルをクリックして、[先頭の行を見出しとして使用]をクリックします。

00094 00095

このように、Web から取得したデータの場合は、先頭の行が見出しになってしまうことが多くあり、これは「先頭の行を見出しとして使用」を利用することで、解決することができます。

7.続いて、次の先頭の行(Web 上では 2行目に表示されているデータ)には、次のように人口の「総数」(合計)が表示されています。

00096

Web 上にあるデータでは、このように「合計の行」が先頭や最後の行に表示されていることが多くあります。このような先頭にあるデータは、次のようにグリッドの左上のセルをクリックして、[上位の行の削除]をクリックすることで、簡単に削除することができます。

00097 00098

上位の行の削除]ダイアログが表示されたら、[行数]で「1」と入力して、[OK]ボタンをクリックします。これで、先頭から「1」行分のデータ(先頭行のデータ)を削除することができます。

このように「合計のデータ」が先頭の行にある場合は、[上位の行の削除]で簡単に削除することができます。もし、合計が最後の行にある場合には、[下位の行の削除]メニューがあるので、これで最後の行から、何行分を削除するかを指定することができます。

Note: 行を削除する別の方法(フィルター)
取得したデータのうち、不要な行データを削除したい場合には、次のように列の隣の[]ボタンをクリックして、フィルターを設定することで行うこともできます。
00099
このように、[]ボタンをクリックすると、その列の値が一覧表示されるので、この中から、不要なデータのチェック ボックスのチェックを外すことで、そのデータを除外することができます。
なお、この[フィルター]ダイアログでは、[テキスト フィルター]メニューをクリックすると、次のように任意の文字列を含んだデータを削除することもできます。
00100
Web から取得したデータの場合には、不要なデータ行が含まれている場合が非常に多いので、この機能は本当に役立つので、ぜひ試してみてください。


Note: 操作を元に戻したい場合(ステップの Undo/削除)
Power BI Desktop では、操作を失敗したり、やっぱり別の処理に変更したい、数ステップ前の処理に戻りたい、といったことも簡単に行うことができます(操作の履歴が残っているので、取り消しが簡単に行えます)。
これは、次のように行えます。
00101


◆ データ型の変換

1.次に、人口データのデータ型を数値型(整数)に変換します。データ型に変換するには、次のように「2010年」から「1920年」までの列(6個の列)を、Ctrl キーを押しながら選択して、選択済みの任意の列(画面は 1920年)を右クリックして、[型の変更]から「整数」をクリックします。

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これで、「2010年」から「1920年」までの人口データを、整数データ型に変更することができました。

Note: 数値への変換を忘れずに
Web から取得した数値データの場合は、(見栄え上)カンマ区切りになっていることが多く、この場合は、数値ではなくテキスト データ(文字列)として見なされてしまいます。テキスト データと見なされてしまうと、計算対象にはならなくなってしまい、うまくグラフで表現することができません。したがって、人口データのように、グラフで表現したい数値データに関しては、データ型を数値系に変換しておくことが重要になります。

◆ エラーの置換(エラー データを別の値に置き換える)

1.データ型を整数に変更すると、次のように「1945年」列の「沖縄県」のデータが「Error」になっていることを確認できます。

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このデータは、次のように Web 上での元々のデータが「-」(データなしを表すハイフン)という文字列データになってしまいます。

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このように、テキスト データがある場合には、データ型を数値系に変更しようとすると、「Error」(データ型の変換エラー)になっています。

2.Power BI Desktop では、エラー データがあっても、別の値に簡単に置き換えることができます。これを行うには、次のように(エラー データのある)「1945年」列を右クリックして、[エラーの置換]をクリックします。

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エラーの置換]ダイアログでは、「0」を入力して、[OK]ボタンをクリックします。これで、エラーの値を「0」に置換することができます。

Note: 値を変換する別の方法(テキスト/文字列を任意の値に変換)
上の例では、文字列(テキスト データ)を整数データ型に変換した課程でエラー データが発生しましたが、Power BI Desktop には文字列データに対して、値を置換する機能もあります。これは、次のように利用することができます(整数データ型に変換する前の「1945年」列で試すことができます)
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列を右クリックして、[値の置換]をクリックし、[値の置換]ダイアログが表示されたら、[検索する値]に「-」、[置換後]に「0」と入力することで、「-」(ハイフン)データを「0」に変更することができます。
この「値の置換」機能も本当に便利で、[検索する値]と[置換後]の値は、ワイルドカードで検索および置換ができるので、仮に「abcdef」というデータがあった場合には、[検索する値]を「cd」、[置換後]を「XX」にすれば、「abXXed」というデータに置換することができます。
Web から取得するデータの場合には、イレギュラーな値が入っていることが多いので、そういった値を置換するときに役立ちます。

◆ クエリの名前の変更

1.Power BI Desktop では、取得したデータを「クエリ」と呼んでいます。今回取得したデータは「Table 0」を選択しているので、クエリの名前も「Table 0」になっています。この名前は、分かりやすいものに変えておいた方がレポートを作りやすくなるので、変更しておきます。クエリの名前を変更するには、次のように[クエリの設定]ペインの[プロパティ]セクションの[名前]に「都道府県別の人口」と入力します。

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以上で、クエリの名前の変更が完了です。

◆ データの読み込み

1.次に、レポートを作成するために、リボンの[ホーム]タブを開いて、[閉じて適用]ボタンをクリックします。

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これで、Web ページからのデータを取り込み、および加工処理(先頭行を見出しに設定、1行目の削除、整数データ型への変更、エラーの置換)を実際に行うことができ、次のようにレポートを作成するためのキャンバス(レポート デザイナー)が表示されるようになります。

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以降では、レポートの作成方法を説明します。

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