松本美穂と松本崇博が執筆した SQL Server 2014 自習書シリーズの「No.5 Microsoft Azure SQL Database 入門」の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。[2015年12月29日]
Azure SQL Database では、SQL Server での性能監視でお馴染みの「DMV」(動的管理ビュー:Dynamic Management View)も、主要なものがサポートされています。DMV は、最近のバージョンアップで、随時強化されているところになっていて、クエリ チューニングでよく利用する「dm_exec_query_stats」(クエリ統計)や、インデックスの使用状況をチェックすることができる「dm_db_index_usage_stats」、Missing インデックス(不足しているインデックス)をチェックすることができる「dm_db_missing_index_~」などを利用できます。これらは、次のように利用できます。
CPU 利用の多いクエリの参照
CPU 利用の多いクエリは、dm_exec_query_stats ビューを利用して確認することができます。
インデックス サイズの確認
インデックスのサイズは、dm_db_partition_stats ビューを利用して確認することができます。
インデックスの断片化状況
インデックスの断片化状況は、dm_db_index_physical_stats を利用して確認することができます。
未使用インデックス
一度も利用されたことがないインデックスは、dm_db_index_usage_statsを利用して確認することができます。
Missing インデックス(不足しているインデックス)
Missing インデックス(不足しているインデックス)は、dm_db_missing_index_~ を利用して確認することができます。
Missing インデックスは、SQL Server と同様、実行プランを利用しても、次のように確認することができます。
プロシージャ キャッシュの参照
プロシージャ キャッシュは、dm_exec_cached_plans を利用して確認することができます。
ロック/ブロッキングに関する情報の参照
ロックに関する情報は、dm_tran_locks を利用して確認することができます。
ロックに関しては、sp_lock はサポートされていませんが、sp_who2 がサポートされているので、次のようにブロッキング情報(どのプロセスによってブロックされているのか)を確認することもできます。
なお、現在の ”待機” の情報(ロック待ちだけでなく、さまざまな内部的な待機に関する情報)を確認することができる dm_os_waiting_tasks に関しては、執筆時点では、Standard エディションの S2 レベル以上であれば、利用できることを確認できました(2015年1月時点での情報)。
また、”待機” に関する統計情報(Wait Stats)についても、S2 レベル以上であれば、次のように利用できることを確認できました。
Wait Stats(待機の統計情報)の参照
その他、S2 レベル以上であれば、次のようにパフォーマンス カウンターの情報(dm_os_performance_counters)や、メモリ使用状況の情報(dm_os_buffer_descriptors)についても、利用できることを確認できました。
パフォーマンス カウンター情報の参照
メモリ使用量の内訳(オブジェクトごとのメモリ使用量)
このように、Azure SQL Database では、データベースを監視するための主要な DMV(動的管理ビュー)がサポートされているので、SQL Server を監視するのと同じように監視することができます(クエリ チューニングやインデックス チューニング、トラブル シューティングを行っていくことができます)。
なお、DMV やインデックス チューニング、ロック(ブロッキング)などについては、SQL Server 2012 の自習書シリーズの「監視ツールの基本操作」や、「インデックスの基礎とメンテナンス」、「ロックと読み取り一貫性」編で詳しく説明しているので、こちらもぜひご覧いただければと思います。
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