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SQL Server 2014 自習書シリーズ (HTML 版)
「No.5 Microsoft Azure SQL Database 入門」

松本美穂と松本崇博が執筆した SQL Server 2014 自習書シリーズの「No.5 Microsoft Azure SQL Database 入門」の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。[2015年12月29日]

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3.6 DMV(動的管理ビュー)を利用した性能監視

(2015年1月時点での情報)

Azure SQL Database では、SQL Server での性能監視でお馴染みの「DMV」(動的管理ビュー:Dynamic Management View)も、主要なものがサポートされています。DMV は、最近のバージョンアップで、随時強化されているところになっていて、クエリ チューニングでよく利用する「dm_exec_query_stats」(クエリ統計)や、インデックスの使用状況をチェックすることができる「dm_db_index_usage_stats」、Missing インデックス(不足しているインデックス)をチェックすることができる「dm_db_missing_index_~」などを利用できます。これらは、次のように利用できます。

CPU 利用の多いクエリの参照

CPU 利用の多いクエリは、dm_exec_query_stats ビューを利用して確認することができます。

-- CPU 利用多いクエリ TOP 10
SELECT TOP 10
    total_worker_time  execution_count 1000.0 AS [平均 CPU 時間(ミリ秒)]
  total_elapsed_time execution_count 1000.0 AS [平均実行時間(ミリ秒)]
  SUBSTRING(text(statement_start_offset 2+ 1
        ((CASE statement_end_offset
          WHEN -1 THEN DATALENGTH(text)
          ELSE statement_end_offset
          END - statement_start_offset/ 2+ 1AS sql
FROM
 sys.dm_exec_query_stats 
  CROSS APPLY
   sys.dm_exec_sql_text(sql_handle)
ORDER BY DESC
00256

インデックス サイズの確認

インデックスのサイズは、dm_db_partition_stats ビューを利用して確認することができます。

SELECT OBJECT_NAME(ps.object_idAS objName
      ,ps.index_idMAX(i.nameAS idxName
      ,SUM(ps.used_page_count* 8 1024.0 AS sizeMB
      ,SUM(ps.row_countAS rowCnt
FROM
 sys.dm_db_partition_stats ps
     LEFT OUTER JOIN sys.indexes i
        ON ps.object_id = i.object_id
       AND ps.index_id i.index_id
WHERE OBJECTPROPERTYEX(ps.object_id'IsUserTable'1
GROUP BY ps.object_id, ps.index_id
00257

インデックスの断片化状況

インデックスの断片化状況は、dm_db_index_physical_stats を利用して確認することができます。

-- t1 テーブル断片化状況確認
SELECT OBJECT_NAME(object_id), index_idavg_fragmentation_in_percent
      ,index_levelpage_countrecord_count
FROM
 sys.dm_db_index_physical_stats(DB_ID(), OBJECT_ID('t1'), NULLNULL'DETAILED')
ORDER BY index_idindex_level DESC
00258

未使用インデックス

一度も利用されたことがないインデックスは、dm_db_index_usage_statsを利用して確認することができます。

SELECT o.name AS table_namei.name AS index_name*
 FROM sys.objects o
      INNER JOIN sys.indexes ON o.object_id = i.object_id
 WHERE o.type 'U'
   AND i.index_id
       NOT IN
         SELECT s.index_id 
            FROM sys.dm_db_index_usage_stats 
             WHERE s.object_id = i.object_id
               AND i.index_id s.index_id
               AND database_id DB_ID() )
00259

Missing インデックス(不足しているインデックス)

Missing インデックス(不足しているインデックス)は、dm_db_missing_index_~ を利用して確認することができます。

SELECT group_handlei.*, gs.*
FROM sys.dm_db_missing_index_group_stats gs
      INNER JOIN sys.dm_db_missing_index_groups g
              ON gs.group_handle g.index_group_handle
      INNER JOIN sys.dm_db_missing_index_details i
              ON i.index_handle g.index_handle
00260

Missing インデックスは、SQL Server と同様、実行プランを利用しても、次のように確認することができます。

00261

プロシージャ キャッシュの参照

プロシージャ キャッシュは、dm_exec_cached_plans を利用して確認することができます。

SELECT query_plansize_in_bytes 8192 AS [使用ページ数], *
FROM
  sys.dm_exec_cached_plans 
    CROSS APPLY
      sys.dm_exec_query_plan (plan_handle)
00262

ロック/ブロッキングに関する情報の参照

ロックに関する情報は、dm_tran_locks を利用して確認することができます。

SELECT FROM sys.dm_tran_locks
00263

ロックに関しては、sp_lock はサポートされていませんが、sp_who2 がサポートされているので、次のようにブロッキング情報(どのプロセスによってブロックされているのか)を確認することもできます。

00264

なお、現在の ”待機” の情報(ロック待ちだけでなく、さまざまな内部的な待機に関する情報)を確認することができる dm_os_waiting_tasks に関しては、執筆時点では、Standard エディションの S2 レベル以上であれば、利用できることを確認できました(2015年1月時点での情報)。

SELECT FROM sys.dm_os_waiting_tasks
00265

また、”待機” に関する統計情報Wait Stats)についても、S2 レベル以上であれば、次のように利用できることを確認できました。

Wait Stats(待機の統計情報)の参照

-- Wait Stats待機関する情報取得
SELECT FROM sys.dm_os_wait_stats
 ORDER BY wait_time_ms DESC
00266

その他、S2 レベル以上であれば、次のようにパフォーマンス カウンターの情報(dm_os_ performance_counters)や、メモリ使用状況の情報(dm_os_buffer_descriptors)についても、利用できることを確認できました。

パフォーマンス カウンター情報の参照

-- パフォーマンス カウンター情報取得
SELECT FROM sys.dm_os_performance_counters
00267

メモリ使用量の内訳(オブジェクトごとのメモリ使用量)

-- オブジェクトごとのメモリ使用量内訳
SELECT 
  DB_NAME (b.database_id), OBJECT_NAME(p.object_id), p.index_id
 ,COUNT(*) As 使用ページ数
FROM
 sys.allocation_units a
  INNER JOIN  sys.partitions ON a.container_id p.hobt_id
  INNER JOIN  sys.dm_os_buffer_descriptors b
      ON a.allocation_unit_id b.allocation_unit_id
WHERE b.database_id DB_ID()
GROUP BY b.database_idp.object_id, p.index_id
ORDER BY 使用ページ数 DESC
00268

このように、Azure SQL Database では、データベースを監視するための主要な DMV(動的管理ビュー)がサポートされているので、SQL Server を監視するのと同じように監視することができます(クエリ チューニングやインデックス チューニング、トラブル シューティングを行っていくことができます)。

なお、DMV やインデックス チューニング、ロック(ブロッキング)などについては、SQL Server 2012 の自習書シリーズの「監視ツールの基本操作」や、「インデックスの基礎とメンテナンス」、「ロックと読み取り一貫性」編で詳しく説明しているので、こちらもぜひご覧いただければと思います。

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第58回:SQL Server 2017 自習書 No.1「SQL Server 2017 新機能の概要」のご案内
第57回:SQL Server 2017 RC 版とこれまでのドキュメントのまとめ
第56回:「SQL Server 2016 への移行とアップグレードの実践」完成&公開!
第55回:書籍「SQL Server 2016の教科書 開発編」(ソシム)が発刊されました
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第 47 回:「Microsoft Azure SQL Database 入門」 完成&公開!
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第 45 回:Power Query で取得したデータを PowerPivot へ読み込む方法と PowerPivot for Excel 自習書のご紹介
第44回:「SQL Server 2014 への移行とアップグレードの実践」ドキュメントを作成しました
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第40回: SQL Server 2012 自習書(HTML版)を掲載しました
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