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SQL Server 2014 自習書シリーズ (HTML 版)
「No.5 Microsoft Azure SQL Database 入門」

松本美穂と松本崇博が執筆した SQL Server 2014 自習書シリーズの「No.5 Microsoft Azure SQL Database 入門」の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。[2015年12月29日]

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2.18 インメモリの列ストア インデックスを利用する

(2015年1月時点での情報)

Azure SQL Database は、V12(Version 12)からは、インメモリの列ストア インデックスを利用できるようになりました(Premium エディションでのみ利用することができます)。

列ストア インデックスは、SQL Server では、SQL Server 2012 のときに、読み取り専用の列ストア インデックス(非クラスター化列ストア インデックスと呼ばれます)、SQL Server 2014 からは更新可能な列ストア インデックス(クラスター化列ストア インデックスと呼ばれます)が提供されました。Azure SQL Database では、Premium エディションを利用していれば、どちらの列ストア インデックスも利用することができます。

列ストア インデックスは、いわゆる「インメモリのカラム指向データベース」の SQL Server における実装であり、内部的には列(カラム)単位でインデックスを格納して、それらを高度に圧縮することで、性能を大幅に向上させることができる機能です(インメモリのカラムベース エンジンが利用されています)。特に大きな効果を発揮するのが、大量のデータに対する集計処理の場合です。夜間バッチ処理時(夜間バッチでの日次集計や月次集計処理など)や、DWH(データ ウェアハウス)、BI システム環境での集計処理で、大きな性能向上を実現できる機能です。

◆ 列ストア インデックスの作成方法

更新可能な列ストア インデックス(クラスター化列ストア インデックス:通称 CCSI)を作成したい場合には、次のように記述します。

CREATE CLUSTERED COLUMNSTORE INDEX インデックス名
 ON テーブル名

CREEATE INDEX ステートメントに COLUMNSTORE キーワードを追加するだけで、列ストア インデックスを作成することができます。更新可能な列ストア インデックスの場合は、CLUSTERED キーワードを付けて、ON 句にテーブル名を指定するだけで作成することができます。

読み取り専用の列ストア インデックス(非クラスター化列ストア インデックス)作成したい場合には、次のように記述します。

CREATE NONCLUSTERED COLUMNSTORE INDEX インデックス名
 ON テーブル名 (列名1列名2列名3)

違いは、NONCLUSTERED キーワードを付けて、テーブル名の隣に、インデックスに含めたい列をカンマ区切りで指定している点です。

◆ 列ストア インデックスの試し方

列ストア インデックスは、次のように試すことができます。

-- テーブル作成
CREATE TABLE ctest1
col1 int
 ,col2 int )
-- 更新可能ストア インデックスクラスター化列ストア インデックス作成
CREATE CLUSTERED COLUMNSTORE INDEX idx_ctest1
 ON ctest1
00153

このように、CREATE INDEX ステートメントで COLUMNSTORE キーワードを追加することで、列ストア インデックスを作成することができます。

列ストア インデックスを作成している場合には、実行プランが次のように変わります。

00154

なお、Standard エディションを利用している場合は、列ストア インデックスを作成したり、利用したりしようとするときに、次のように「サポートされていません」という主旨のエラー メッセージが返ります。

00155

◆ 弊社事例 ~4億件のデータ~

次のグラフは、前述のデータ圧縮のときと同様、筆者のお客様のデータベース(4億件のデータ)を、Azure SQL Database 上に配置して、クラスター化列ストア インデックスCCSI)を作成した場合の結果です。

00156

通常テーブル(圧縮なし)が 8.2GB、行圧縮では 6.5GB、ページ圧縮では 4.5GBであるところを、クラスター化列ストア インデックスでは、わずか 1.1GB1/7以下のサイズ)にまで圧縮することができています。

また、このときのクエリの実行時間は、次のとおりです(前出のグラフを再掲)。

00157

クエリ1 でも、クエリ2 でも、20倍以上もの性能向上を確認することができました。このように、列ストア インデックスは、大きな性能向上を期待できる機能なので、ぜひ試してみてください。

なお、列ストア インデックスについては、SQL Server 2014 の自習書シリーズの「SQL Server 2014 の新機能の概要」編でも詳しく説明しているので、こちらもぜひご覧いただければと思います。

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