SQL Server のことなら SQL Quality SQL Server パフォーマンス チューニング、コンサルティング、アドバイス、相談、定期診断、トレーニング

ホーム > 技術情報 > SQL Server 2012 自習書 データ パーティション入門

SQL Server 2012 自習書 「No.19 データ パーティション入門」(HTML 版)

松本美穂と松本崇博が執筆した完全オリジナル SQL Server 2012 自習書シリーズの「No.19 データ パーティション入門」の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。[2013年12月29日]

目次へ | 前のページへ | 次のページへ

1.1 データ パーティションの概要

◆ データ パーティションの概要

データ パーティションは、データの範囲によってデータの格納場所(パーティション)を分割することができる、SQL Server 2005 から提供された機能です。データ パーティションは、パフォーマンスとスケーラビリティの向上、運用管理性の向上に大変役立ち、特に大規模データベース環境では、欠かせない機能です。
データ パーティションの典型的な利用方法は、次のように日付の範囲(年ごとや四半期ごとなど)でデータの格納場所(ファイル)を分割するというものです。
00004
このようにデータを日付で分割しておけば、「不要になった古いパーティションの削除」や「新しいパーティションへの大量データ挿入(バッチ挿入)」などのパフォーマンスを大幅に向上させることができます。
また、データ パーティションは、「インデックスの再構築と再編成」や「バックアップと復元」、「データ圧縮」をパーティション単位で実行できることも大きなメリットです。インデックスの再構築は、再構築の実行中は、ユーザーアクセスがブロックされるので、テーブル全体をまとめて再構築するよりも、パーティション単位で再構築したほうが、ブロックを局所化することができます。また、古いパーティションは、データの追加や更新がされない場合が多いので、そういったパーティションに対しては、インデックスを再構築しなくて済みます。その分、テーブル全体を再構築するよりも、再構築時間を大幅に短縮することができます
データ圧縮は、SQL Server 2008 から提供された機能ですが、これを利用すると、利用頻度の少ない古いパーティションのデータを圧縮しておくことで、ディスク コストを大幅に削減することができます(データ圧縮は、データの特性にもよりますが、4~10倍程度の圧縮率を実現できます)。
また、パーティションを複数のファイル グループおよびデータ ファイル(.ndf)で構成しておけば、一部のデータ ファイルが破損してもそのまま稼動させることが可能です。さらに、パーティション単位でバックアップしていたファイルを利用して、破損したパーティションのみを復元するだけで、完全復旧させることができます。
以上の機能は、Step 2 以降で、1つ 1つ実際に試しながら説明しますので、ぜひチャレンジしてみてください。
なお、データ パーティション機能は、Oracle Database での「レンジ パーティション」に相当する機能です。

◆ SQL Server 2008 以降で提供された機能

2つ前のバージョンの SQL Server 2008 からは、データ パーティションの新機能として、次のものが追加されました。

  • パーティションのパラレル処理によるパフォーマンスの大幅な向上
  • パーティション単位でのデータ圧縮
  • パーティションに関連付けられたインデックス付きビュー
  • パーティション単位でのロック エスカレーション
  • パーティション ウィザードによる GUI からの設定

SQL Server 2012 からは、次の新機能が追加されました。

  • 15,000 パーティション(作成できるパーティション数の上限が 15,000 に UP)

このように、データ パーティションには、多くの機能があり、SQL Server 2008 以降でさらにパワーアップ(特にパフォーマンスが向上)しています。大規模データベース環境では広く利用されており、不可欠と言っても過言ではない機能です。筆者自身も、データベース サイズが 9TB(テラ バイト)のシステムを設計する際にデータ パーティションを採用して(年ごとにパーティションを分割して)、パフォーマンスを大きく向上させたことがあります。皆さんも、ぜひ活用していただければと思います。

目次へ | 前のページへ | 次のページへ

事例1

SQLQualityは執筆とセミナーを通じて技術の啓蒙やエンジニアの育成支援も行っています
最新刊
SQL Server 2016 の教科書
SQL Server 2016 の教科書(ソシム)

弊社オリジナル制作の
SQL Server 2016 自習書も
マイクロソフトのサイトで公開中!
ダウンロードはこちら
セミナー風景
セミナー風景

ロングセラー
ASP.NET でいってみよう  SQL Server 2000 でいってみよう
ASP.NET でいってみよう
第7刷 16,500 部発行
SQL Server 2000 でいってみよう
第12刷 28,500 部発行
SQL Server 2014 CTP2 インメモリ OLTP 機能の概要
SQL Server 2014 CTP2 インメモリ OLTP 機能の概要(Amazon Kindle 書籍)

弊社執筆の
SQL Server 2014 自習書
マイクロソフトのサイトで公開中
目次はこちら

弊社執筆の
SQL Server 2012 自習書
マイクロソフトのサイトで公開中
ダウンロードはこちら
松本美穂のコラム
(公開活動などのお知らせ)

第60回:SQL Server 2017 自習書 No.3「SQL Server 2017 Machine Learning Services」のご案内
第59回:SQL Server 2017 自習書 No.2「SQL Server 2017 on Linux」のご案内
第58回:SQL Server 2017 自習書 No.1「SQL Server 2017 新機能の概要」のご案内
第57回:SQL Server 2017 RC 版とこれまでのドキュメントのまとめ
第56回:「SQL Server 2016 への移行とアップグレードの実践」完成&公開!
第55回:書籍「SQL Server 2016の教科書 開発編」(ソシム)が発刊されました
第54回:「SQL Server 2016 プレビュー版 Reporting Services の新機能」自習書のお知らせ
第 53 回:SQL Server 2016 Reporting Services の新しくなったレポート マネージャーとモバイル レポート機能
第 52 回:SQL Server 2016 の自習書を作成しました!
第 51 回:PASS Summit と MVP Summit で進化を確信!
第 50 回:新しくなった Power BI(2.0)の自習書を作成しました!
第49 回:Excel 2016 の Power Query を使う
第 48 回:新しくなった Microsoft Power BI ! 無料版がある!!
第 47 回:「Microsoft Azure SQL Database 入門」 完成&公開!
第 46 回:Microsoft Power BI for Windows app からの Power BI サイト アクセス
第 45 回:Power Query で取得したデータを PowerPivot へ読み込む方法と PowerPivot for Excel 自習書のご紹介
第44回:「SQL Server 2014 への移行とアップグレードの実践」ドキュメントを作成しました
第43回:SQL Server 2014 インメモリ OLTP 機能の上級者向けドキュメントを作成しました
第42回:Power Query プレビュー版 と Power BI for Office 365 へのクエリ保存(共有クエリ)
第41回:「SQL Server 2014 CTP2 インメモリ OLTP 機能の概要」自習書のお知らせです
第40回: SQL Server 2012 自習書(HTML版)を掲載しました
第39回: Power BI for Office 365 プレビュー版は試されましたか?
第38回: SQL Server 2014 CTP2 の公開
第37回: SQL Server 2014 CTP1 の自習書をご覧ください
第36回: SQL Server 2014 CTP1 のクラスター化列ストア インデックスを試す
第35回: SQL Server 2014 CTP1 のインメモリ OLTP の基本操作を試す
第34回: GeoFlow for Excel 2013 のプレビュー版を試す
第33回: iPad と iPhone からの SQL Server 2012 Reporting Servicesのレポート閲覧
第32回: PASS Summit 2012 参加レポート
第31回: SQL Server 2012 Reporting Services 自習書のお知らせ
第30回: SQL Server 2012(RTM 版)の新機能 自習書をご覧ください
第29回: 書籍「SQL Server 2012の教科書 開発編」のお知らせ
第26回: SQL Server 2012 の Power View 機能のご紹介
第25回: SQL Server 2012 の Data Quality Services
第24回: SQL Server 2012 自習書のご案内と初セミナー報告
第23回: Denali CTP1 が公開されました
第22回 チューニングに王道あらず
第21回 Microsoft TechEd 2010 終了しました
第20回 Microsoft TechEd Japan 2010 今年も登壇します
第19回 SQL Server 2008 R2 RTM の 日本語版が公開されました
第18回 「SQL Azure 入門」自習書のご案内
第17回 SQL Server 2008 自習書の追加ドキュメントのお知らせ
第16回 SQL Server 2008 R2 自習書とプレビュー セミナーのお知らせ
第15回 SQL Server 2008 R2 Reporting Services と新刊のお知らせ
第14回 TechEd 2009 のご報告と SQL Server 2008 R2 について
第13回 SQL Server 2008 R2 の CTP 版が公開されました
第12回 MVP Summit 2009 in Seattle へ参加

技術コミュニティでも活動中