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SQL Server 2012 自習書シリーズ (HTML 版)
新機能編 No.2「AlwaysOn による可用性の向上」

松本美穂と松本崇博が執筆した SQL Server 2012 自習書シリーズの「新機能編 No.2 AlwaysOn による可用性の向上」の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。[2014年12月26日]

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2.7 手動フェールオーバーによる動作確認

◆ 手動フェールオーバーによる動作確認

次に、手動フェールオーバーを実行して、プライマリとセカンダリの役割を変更してみましょう。

1.手動フェールオーバーを実行するには、まずセカンダリSERVER2)へ接続します。

2.次に、[可用性グループ]フォルダーの可用性グループ名(AG1)を右クリックして、[フェールオーバー]をクリックします。

00086

3.これにより、[可用性グループのフェールオーバー]ウィザードが起動するので、[次へ]ボタンをクリックします。

00087

4.次の[新しい プライマリ レプリカの選択]ページでは、SERVER2 を選択して、[次へ]ボタンをクリックします。

00088

5.次の[概要]ページでは、内容を確認して、[完了]ボタンをクリックします。

00089

これでフェールオーバーが開始され、フェールオーバーの実行中は、次のように[進行状況]ページが表示されます。

00090

6.フェールオーバーが完了すると、次のように[結果]ページが表示されます。

00091

これで手動フェールオーバーが完了です。フェールオーバーにかかる時間は、実行されているトランザクション量にもよりますが、10~20秒程度で完了します。WSFC(Windows Server フェールオーバー クラスター)を利用した SQL Server クラスターでは、30秒~1分程度の時間がフェールオーバーにかかるので、可用性グループのほうがダウンタイム(障害発生時の停止時間)を大幅に短縮することができます(これは、可用性グループの大きなメリットです)。

7.フェールオーバーが完了したら、フェールオーバーが成功したことをオブジェクト エクスプローラーから確認しておきましょう。

00092

8.また、フェールオーバクラスター マネージャーからもリソースの所有者が新しいプライマリ(SERVER2)へ変更されていることを確認しておきましょう。

00093

9.次に、オブジェクト エクスプローラーでリスナー名で接続して、サーバーのプロパティを表示します。

00094

名前]には、新しいプライマリのサーバー名(SERVER2)が表示されていることを確認できます。

10.次に、リスナーへ接続して、「SELECT @@SERVERNAME」を実行して、処理しているサーバー名が SERVER2 と表示されることを確認しておきましょう。

SELECT @@SERVERNAME

00095

11.次に、リスナーに対して INSERT ステートメントを実行して、データが追加できることを確認します。

USE AGTestDB
INSERT INTO t1 VALUES(4)
SELECT FROM t1

00096

12.次に、前の Step で Visual Studio 2010 で作成した Windows アプリケーションを実行して、正しく結果が取得できることを確認します。

00097

接続文字列では、Data Source 句へリスナー名(AG1_Listener)を指定しているので、フェールオーバー後でも、どちらのサーバーが処理しているかを意識することなく、何の問題もなくアプリケーションを実行できていることを確認できます。

13.次に、SQL Server ログを参照して、フェールオーバーが実行された際に記録されるメッセージを確認してみましょう。オブジェクト エクスプローラーで[管理]フォルダーの[SQL Server ログ]フォルダーを展開して、現在のログをダブル クリックします。

00098

ログが表示されたら、「The availability group database "AGTestDB" is changing roles from "PRIMARY" to "RESOLVING" 」や「~ changing roles from "RESOLVING" to "SECONDARY" 」というメッセージを確認できます。これがロール変更(プライマリからセカンダリへの役割変更)に関するエントリです。

00099

◆ SQL で手動フェールオーバー(ALTER AVAILABILITY GROUP ステートメント)

次に、SQL ステートメントを利用して、手動フェールオーバーを実行してみましょう。

1.SQL ステートメントで手動フェールオーバーを実行するには、セカンダリ(現在は SERVER1 がセカンダリ)へ接続して、ALTER AVAILABILITY GROUP ステートメントを次のように実行します(データベース ミラーリング機能の場合と同様、手動フェールオーバーは、セカンダリからのみ実行することができます)。

USE master
ALTER AVAILABILITY GROUP AG1 FAILOVER

00100

AG1 の部分は、可用性グループ 名を指定し、セカンダリに接続してから実行することに注意してください。

2.コマンドが正常に完了したら、オブジェクト エクスプローラーを最新の情報に更新して、役割が変更されたことを確認しておきましょう。

00101

3.次に、Visual Studio 2010 で作成した Windows アプリケーションを実行して、正しく結果が取得できることを確認します。

00102

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事例1

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