松本美穂と松本崇博が執筆した SQL Server 2012 自習書シリーズの「新機能編 No.2 AlwaysOn による可用性の向上」の HTML 版です。 日本マイクロソフトさんの Web サイトで Word または PDF 形式でダウンロードできますが、今回、HTML 版として公開する許可をいただきましたので、ここに掲載いたします。[2014年12月26日]
次に、手動フェールオーバーを実行して、プライマリとセカンダリの役割を変更してみましょう。
1.手動フェールオーバーを実行するには、まずセカンダリ(SERVER2)へ接続します。
2.次に、[可用性グループ]フォルダーの可用性グループ名(AG1)を右クリックして、[フェールオーバー]をクリックします。
3.これにより、[可用性グループのフェールオーバー]ウィザードが起動するので、[次へ]ボタンをクリックします。
4.次の[新しい プライマリ レプリカの選択]ページでは、SERVER2 を選択して、[次へ]ボタンをクリックします。
5.次の[概要]ページでは、内容を確認して、[完了]ボタンをクリックします。
これでフェールオーバーが開始され、フェールオーバーの実行中は、次のように[進行状況]ページが表示されます。
6.フェールオーバーが完了すると、次のように[結果]ページが表示されます。
これで手動フェールオーバーが完了です。フェールオーバーにかかる時間は、実行されているトランザクション量にもよりますが、10~20秒程度で完了します。WSFC(Windows Server フェールオーバー クラスター)を利用した SQL Server クラスターでは、30秒~1分程度の時間がフェールオーバーにかかるので、可用性グループのほうがダウンタイム(障害発生時の停止時間)を大幅に短縮することができます(これは、可用性グループの大きなメリットです)。
7.フェールオーバーが完了したら、フェールオーバーが成功したことをオブジェクト エクスプローラーから確認しておきましょう。
8.また、フェールオーバー クラスター マネージャーからもリソースの所有者が新しいプライマリ(SERVER2)へ変更されていることを確認しておきましょう。
9.次に、オブジェクト エクスプローラーでリスナー名で接続して、サーバーのプロパティを表示します。
[名前]には、新しいプライマリのサーバー名(SERVER2)が表示されていることを確認できます。
10.次に、リスナーへ接続して、「SELECT @@SERVERNAME」を実行して、処理しているサーバー名が SERVER2 と表示されることを確認しておきましょう。
11.次に、リスナーに対して INSERT ステートメントを実行して、データが追加できることを確認します。
12.次に、前の Step で Visual Studio 2010 で作成した Windows アプリケーションを実行して、正しく結果が取得できることを確認します。
接続文字列では、Data Source 句へリスナー名(AG1_Listener)を指定しているので、フェールオーバー後でも、どちらのサーバーが処理しているかを意識することなく、何の問題もなくアプリケーションを実行できていることを確認できます。
13.次に、SQL Server ログを参照して、フェールオーバーが実行された際に記録されるメッセージを確認してみましょう。オブジェクト エクスプローラーで[管理]フォルダーの[SQL Server ログ]フォルダーを展開して、現在のログをダブル クリックします。
ログが表示されたら、「The availability group database "AGTestDB" is changing roles from "PRIMARY" to "RESOLVING" ~」や「~ changing roles from "RESOLVING" to "SECONDARY" ~」というメッセージを確認できます。これがロール変更(プライマリからセカンダリへの役割変更)に関するエントリです。
次に、SQL ステートメントを利用して、手動フェールオーバーを実行してみましょう。
1.SQL ステートメントで手動フェールオーバーを実行するには、セカンダリ(現在は SERVER1 がセカンダリ)へ接続して、ALTER AVAILABILITY GROUP ステートメントを次のように実行します(データベース ミラーリング機能の場合と同様、手動フェールオーバーは、セカンダリからのみ実行することができます)。
AG1 の部分は、可用性グループ 名を指定し、セカンダリに接続してから実行することに注意してください。
2.コマンドが正常に完了したら、オブジェクト エクスプローラーを最新の情報に更新して、役割が変更されたことを確認しておきましょう。
3.次に、Visual Studio 2010 で作成した Windows アプリケーションを実行して、正しく結果が取得できることを確認します。
第38回: SQL Server 2014 CTP2 の公開
第37回: SQL Server 2014 CTP1 の自習書をご覧ください
第36回: SQL Server 2014 CTP1 のクラスター化列ストア インデックスを試す
第35回: SQL Server 2014 CTP1 のインメモリ OLTP の基本操作を試す
第34回: GeoFlow for Excel 2013 のプレビュー版を試す
第33回:iPad と iPhone からの SQL Server 2012 Reporting Servicesのレポート閲覧
第32回:PASS Summit 2012 参加レポート
第31回:SQL Server 2012 Reporting Services 自習書のお知らせ
第30回:SQL Server 2012(RTM 版)の新機能 自習書をご覧ください
第29回:書籍「SQL Server 2012の教科書 開発編」のお知らせ
第26回:SQL Server 2012 の Power View 機能のご紹介
第25回:SQL Server 2012 の Data Quality Services
第24回:SQL Server 2012 自習書のご案内と初セミナー報告
第23回:Denali CTP1 が公開されました
第22回 チューニングに王道あらず
第21回 Microsoft TechEd 2010 終了しました
第20回 Microsoft TechEd Japan 2010 今年も登壇します
第19回 SQL Server 2008 R2 RTM の 日本語版が公開されました
第18回 「SQL Azure 入門」自習書のご案内
第17回 SQL Server 2008 自習書の追加ドキュメントのお知らせ
第16回 SQL Server 2008 R2 自習書とプレビュー セミナーのお知らせ
第15回 SQL Server 2008 R2 Reporting Services と新刊のお知らせ
第14回 TechEd 2009 のご報告と SQL Server 2008 R2 について
第13回 SQL Server 2008 R2 の CTP 版が公開されました
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